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「えこひいきも辞さず」 日本のスタートアップ、海外でも存在感 CESやSXSWで高い評価

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 日本のスタートアップ企業が海外での存在感を増している。1月のCES(米ラスベガス)、2月のMWC(スペイン・バルセロナ)、3月のSXSW(米テキサス州オースティン)――。有力なテクノロジーイベントには、多数の日本のスタートアップが参加した。ユニコーン(未上場で時価総額10億ドル以上)の数では世界に比べて見劣りすると言われる日本のスタートアップ。グローバルイベントに参加するスタートアップの多くは、創業期、アーリーステージだが、世界を相手に爪痕を残すことはできたのだろうか。最大規模のCESを中心に、振り返ってみよう。

■存在感を増す日本のスタートアップ

 CBSやBBCなど全米メディア 25 社に連続生出演し、メディア露出は合計350件を超える――。GROOVE X(グルーヴエックス、東京都中央区)のLOVOT(ラボット)が全米のテレビ番組で放送された件数だ。ほかにも欧州や南米のメディアでも取り上げられたという。LOVOTはまた、米大手テクノロジー・IT系メディアの「The Verge」が主催する表彰制度「THE VERGE AWARDS AT CES 2019」で「BEST ROBOT」賞にも選ばれた。林要社長は「海外での認知度を高めるという狙いは達成できた」と満足げだ。

 今年のCESでは、日本のスタートアップは、GROOVE X以外にも複数の企業が受賞した。電動車いすの開発・販売を手がけるスタートアップ企業、WHILL(ウィル、横浜市)は、新たに開発した自動運転システムで、アクセシビリティー(移動の利便性)カテゴリでCES公式表彰制度の最優秀賞に輝いた。別の米大手テクノロジー・IT系メディアのエンガジェットが提供するCESアワードでは、排尿センサー「DFree(ディーフリー)」のトリプル・ダブリュー・ジャパン(東京・渋谷)が部門で最優秀となり、GROOVE Xはファイナリストに残った。音声解析スタートアップのEmpath(エンパス、東京・渋谷)は米アクセラレーターのテックスターズが主催するピッチコンテストでAI部門のファイナリストに選ばれた。

 受賞が相次いだのは、それぞれのスタートアップの提供するサービスや製品の水準が秀でていたのはもちろんだが、日本のスタートアップ全体が審査員や一部の賞に投票できる一般入場者に、好印象を残したことも大きいかも知れない。CESに10年以上通うジャーナリストの一人は「エウレカパークで初めて、日本勢の存在を認識した」と話す。エウレカパークはCESの中の展示コーナーの一つで、スタートアップに特化したものとしては世界最大級だ。

 昨年のCESでの日本のスタートアップは存在感が薄かった。その反省から生まれたのが、「JーStartup」というプロモーションの仕組みだ。有力なスタートアップ企業を選出し、「えこひいき」(世耕弘成経産相)も辞さずに応援していく。そのプロジェクトの世界に対する初めての本格的なお披露目が今回のCESだった。

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