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外国人就労の落とし所(4)新たな就労資格=特定技能は大丈夫か? 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

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 前回までの説明で、技能実習制度には、外国人実習生を保護するための仕組みがあるることが分かっただろう。対して、今回新設される特定技能資格で来日する外国人には果たしてどのような保護があるのか、細かく見ていこう。

送り出し国では日本語教育の拡充と悪質ブローカーの排除を先んじる

 新設される外国人向けの就労資格「特定技能」とは建前上は労働であり、実習ではない。実際、事前に業種ごとの技能・日本語試験をパスした人に与える資格であり、技能と日本語力を有する人たちということになっている。

 この資格試験は、当面、以下の9カ国で行われる。

 ベトナムフィリピンカンボジア・インドネシア・タイ・ミャンマー・ネパール・中国・モンゴル(太字は技能実習制度での二国間取り決め締結国)。

 上記9カ国には以下のような対応がなされる。

(1)技能実習制度でも用いられた「二国間による取決め」と同様の協定を締結する方向で相手国政府と協調している。こうした海外からの就業者送り出しは、公募ではなかなかうまくいかないために、一般的には間に職業紹介事業者が介在することになる。彼らが、来日希望者から保証金や違約金などを詐取することが多々見られた。そうした悪質業者を排除するために、政府間で厳しい協定を交わし、認可を受けた優良業者のみが就業者を紹介できるようにする。

(2)これら9カ国には、日本での生活・就労に必要な日本語能力を確認する能力判定テストをCBT(Computer Based Testing)で実施できる体制作りや、また、国際交流基金等による海外における日本語教育基盤強化(現地教師育成、現地機関活動支援)なども計画している。

 このあたりは、技能実習制度での教訓が十分に生かされているようだ。

支援計画という名の就労者サポートを提供する義務

 特定技能の資格を有する外国人就労者は、技能・基礎的日本語試験をパスしてはいるが、日本での生活に慣れていないことが多い。

 そこで、(彼らは日本人と変わらない一就労者であるというタテマエにもかかわらず)雇用する企業は日本での生活を支援するための計画(支援計画)を作り、それを実行する義務を負うことになる。支援計画とは具体的には以下のような項目だ。

(1)入国前に生活ガイダンスの提供(当該国の言語で行う)
(2)入国時の空港で迎え、帰国時の空港への見送り
(3)住居探し、契約のサポート及び賃貸契約時の保証人
(4)在留中の生活オリエンテーション(預貯金口座開設・電話の契約等)
(5)生活のための日本語取得支援
(6)相談・苦情への対応
(7)日本人との交流促進
(8)失業・失職した場合、継職支援

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