新「企業と社員」関係論―人生100年時代に

ビジネスマン出身学長、奮闘中! 「大学にも世界標準を」 立命館大学教授 西山昭彦

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 神田外語の話を聞いていて、これはいいと思ったことがある。同校では、他大学と違い1年生からかなり勉強させられる。3000時間やれば語学は身につくという説があるが、言語の基礎訓練時間は絶対に不可欠で、他の大学生が遊んでいるときに集中して学ぶ経験は人生価値を生むことになる。

 また、チュータリングという制度がある。少人数クラスでついていけない学生がいるとき、先輩で当時つまずいたがその後理解できた学生が補習の講師をするものだ。できる学生が教えても、自分ではできない学生のことが真には理解できないので、教えにくい。できなかった学生こそ、この場合のベスト講師になれる。この制度は他大学でも取り入れるべきものである。

 時代は益々グローバルコミュニケーションが必要となる中で、同グループの果たす役割は高まるばかりである。宮内学長がその変化にドライブをかけて、世界標準へと舵を切っていった将来像が楽しみである。

定年は変化のチャンス

 日本の企業人に対しては、「ビジネスマンは今までの延長で定年後を考える必要はないと思います。過去に拘泥せず、もう一度真にやりたいことを目指してほしいですね。定年はある意味ラッキーなことです。変化を外的に強制されるので、チャンスを探す機会になるのです。次にやりたいことがあったら、執筆や講演で発信することも大事です。それを見た人がオファーをくれることがあるものです」。

 「在職中目の前の仕事を必死にやることはマストです。そこから得られるものは、普遍性があり、定年後も使えるのです。加えて、自己を客観視する、自分のバリューを見極める癖をつけるといいと思います」

 最後に意外な事実を聞いた。三菱商事OBで教育にかかわっている人が60人いるそうだ。世界を飛び回り困難な仕事をしてきた人たちは、その中で自分を高めるだけでなく、定年後は次代を考え、社会貢献の一翼としての教育面で後進の育成にかかわっているということだろうか。人生100年時代、定年で仕事は終わらない。

西山 昭彦(にしやま・あきひこ) 立命館大学教授
一橋大学社会学部卒業後、東京ガス入社。ロンドン大学大学院留学、ハーバード大学大学院修士課程修了。中東経済研究所研究員。アーバンクラブ設立、取締役。法政大学大学院博士後期課程修了、経営学博士。東京女学館大学国際教養学部教授、一橋大学特任教授などを経て18年から立命館大学共通教育推進機構教授。人材育成、企業経営、キャリアデザインを中心に研究し、実践的人材開発の理論を構築。研修・講演は通算1000回を超える。「ビジネスリーダーの生涯キャリア研究」がライフテーマ。著書は計61冊。

キーワード:経営、企画、人事、経理、営業、技術、製造、学生、経営層、管理職、プレーヤー、働き方改革、マーケティング、人材、研修、就職

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