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落雷で停電が増加 地域社会を守る避雷器

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協力:明電舎

 地震、雷、火事、親父――。最近はあまり語られることがなくなったが、世の中のこわいものを並べた言葉だ。その中でも雷、つまり落雷災害についてはあまり語られることがないかもしれない。しかし、仮に発電設備に落雷して送電ができなくなると、停電が発生するなど社会に大きな影響を与える。全国規模で異常気象が起こるなか、落雷による停電などの被害も増えている。

関東でも落雷による停電多発

 「テレビ番組が突然見られなくなった」。2018年1月、北陸地方でテレビ放送が一時中断する事故が起こった。原因は送信鉄塔に雷が落ちてケーブルが損傷したためと伝えられた。同年8月には関東地方で、大規模な落雷が発生し、広い範囲内で停電が起こった。ゲリラ豪雨と猛烈な落雷で電車が一時的に止まる騒ぎにも発展した。

 社会を停止させるリスクをはらむ落雷は、近年増加傾向にある。「雷の発生は積乱雲の発生が前提条件で、もともとの傾向として日本海側では冬に多く、都市部では夏に多い。ゲリラ豪雨が増えていることは、落雷の増加と関係があるでしょう」と、中部大学工学部電気電子システム工学科の山本和男准教授は説明する。

 そうは言っても、雷が一人の人間や住まいに落ちる確率は非常に低いと言える。しかし例えば鉄道会社は、落雷による事故や故障に関して保険に加入していることが多く、落雷災害のリスクを保険で転嫁することで、リスク低減の対策を取っている。このように、企業・団体では対策が進んでいるが、個人や家庭では対策はあまり広がっていない面がある。

全国の隅々に避雷器

 落雷によって停電が起きる仕組みを簡単に説明しよう。例えば送電鉄塔に雷が落ちて停電に至るケースはめったにない。日本の電力網の隅々には避雷器が備え付けられ、各設備を落雷が保護しているためだ。

 しかし、日本中に張り巡らされている配電線(いわゆる電線)に猛烈な雷が直撃すると、それにつながっている避雷器や変圧器などが雷の有する異常な高電圧・大電流により故障し、事業所や家庭への送電が止まって電気が使えない状況に陥るケースがある。これが停電だ。さらに落雷には、雷放電による電流が直撃する「直撃雷」と、雷電流からの電磁誘導によって発生する高電圧である「誘導雷」の二つがあり、どちらも停電を引き起こす原因となり得る。

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