誤解だらけの健康管理術

「メタボ」体質は太古から だから気をつけたい4つのコツ 健康企業代表・医師 亀田 高志

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 毎年行われる一般定期健康診断を受けた人のうち、過半数の方に基準値を超えた項目があることが厚生労働省の集計結果から明らかにされています。

なぜ、太るのか? 太りやすいのか?

 健康管理に携わっていると「食事にとても気をつけているのに、何でコレステロールや尿酸値が上がるのか?」とか、「お酒も控えているのに、血糖値が上昇気味で困っている」という、嘆きにも似た声を聞くことが少なくありません。

 毎朝、睡眠不足気味で起床し、負担感の強い電車等の通勤を経て、生産性の向上を常に求められる職場で努力する毎日。大切な健康だとは分かっているけれど、ウィークデーの忙しさは変わらず、疲労も溜まっている。お酒や甘いものをできるだけ控える以外、運動する余裕も元気もない、といった気持ちが伝わってくる感じです。

 職場の健康管理に関するコンサルティングを手がける中で感じるのは、人生100年時代に、それを妨げるメタボによる動脈硬化は大きな問題であることと、現代人が自身の身体の健康を考える際に、今、この時点だけに囚われている傾向です。

 義務教育や学生時代の理科、社会や生物学の授業で、一通りのお話しはどこかで聞いたことがあるかもしれませんが、人間は元々、サルの仲間であるとされています。大まかには700万年ぐらい前に、チンパンジーから枝分かれした種族の末裔であると考えられています。20万年前くらいにアフリカ大陸の東部に登場したご先祖が、5万から6万年前に世界中に散らばりはじめ、約1万年前に農耕が開発され、定住するようになっていったようです。

 宇宙の歴史が138億年、地球の誕生から46億年、恐竜が滅んだのが6500万年前ですから、人間の歴史が、如何に短いものかが分かります。その短い20万年ほどの歴史で一貫した悩みは、食べ物がないことであったことでしょう。農耕が開発されるまでは、氷河期も経験しながら、狩猟と木の実や果実の採集で生き延びてきたのです。

 素手で戦えばチンパンジーに歯が立たないくらい脆弱で、疫病や外敵に度々襲われてきたであろう人間が存在していることすら、奇跡的かもしれません。この700万年のうち、定住するようになる699万年の間は毎日食うや食わずで、食べ物を探し回る毎日だったわけです。好むと好まざるとにかかわらず、我々の身体はあまり食べずに身体を動かすという、太古の生活に適しているのです。

我々が直面している環境変化

 現在は高度成長期以降、高度情報化社会とインターネットの展開を経て、デジタル技術の進歩によってAIの活用まで考える社会・経済的な状況になっています。パソコンや端末あるいは携帯電話を眺める時間の長い、いわゆるデスクワーク中心になっていて、あまり身体を動かさずに働く人が増えています。

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