働く女性 ほんとの格差

女性が変わる「職場の条件」とは? 将来のキャリア描けず悩む女性 石塚由紀夫

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 今後どのような仕事や働き方をしたいのか。昇進・昇格したいのか。あるいは専門性を高めたいのか。結婚や出産は考えているのか。それはいつごろの予定か。家族を持ったら、夫とどんな暮らしをし、どこに住むのか。キャリアとライフの両面で未来予想図をできるだけ具体的に思い描く。その実現に向けて今からすべき行動をアクションプランにまとめた。丸々1日を費やす研修の最後には今やるべきことをA3判の紙に1つ書き出し、全員で発表した。

 「みらい塾28」は17年が初開催だ。狙いは女性社員の将来キャリア不安を断ち切ることだ。

 損保ジャパン日本興亜は16年に内閣府「女性が輝く先進企業表彰」内閣総理大臣表彰を受賞するなど女性活躍分野で先頭を走る。「Diversity for Growth」を経営戦略に掲げ、子育て支援や女性登用を積極的に進めている。

 12年に3.9%だった女性管理職比率は15年度末に12.3%に達した。会社では20年度末30%の目標を掲げて、女性登用をさらに進める。女性活躍を進めるために、コース別人事制度の廃止や専門部署の設置、フレックスタイム制や在宅勤務など柔軟な働き方の拡充、社内保育所の整備などありとあらゆる制度を整えてきた。それでも今、若手女性社員のモチベーション低下に直面している。

 「制度活用・利用は進んでいます。だけど28歳前後で女性社員はキャリア停滞期に入ってしまう。入社から数年を経て仕事に慣れる時期。男性なら次のステップに迷わず進めるのに、女性は結婚や出産といったライフイベントと仕事との兼ね合いが頭をよぎる。『このままのペースで仕事を続けていけるのか』『結婚・出産ができるのか』。具体的な相手や計画がなくても悩み、立ち止まってしまう。働き続ける将来像がイメージできないと、不安が募り、キャリアアップに消極的になっていく。一人ひとりがライフイベントについてどんな選択をしても働き続けられることを会社側が示し、安心して次に進めるように背中をやさしく押してあげるのが研修を始めた目的です」と同社の人事部ダイバーシティ担当者は説明する。

※連載「働く女性 ほんとの格差」は全6回です。同じ連載の各記事はこちらから
石塚由紀夫著『働く女性 ほんとの格差』(日本経済新聞出版社、2018年)「第6章 女性が変わる職場の条件」から
石塚由紀夫(いしづか・ゆきお)
日本経済新聞社編集委員。1964年新潟県生まれ。早稲田大学卒。1988年日本経済新聞社入社。日本経済新聞では少子高齢化や女性のライフスタイル、企業の人事制度などを主に取材・執筆。2015年法政大学大学院MBA(経営学修士)取得、修士論文のテーマは女性管理職のキャリア意識とその形成要因。男性初の女性面編集長を経て、2016年より編集局経済解説部編集委員。著書に『資生堂インパクト』。

キーワード:経営、企画、人事、経理、営業、技術、製造、学生、経営層、管理職、プレーヤー、働き方改革、マーケティング、人材、研修

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