働く女性 ほんとの格差

女性が変わる「職場の条件」とは? 将来のキャリア描けず悩む女性 石塚由紀夫

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(6)女性が変わる職場の条件

 女性活躍推進の流れの中でも輝けない女性の葛藤とその背景を、前回まで紹介してきた。法制度の欠陥や社会全体の価値観なども影響しており、すべての女性が輝ける社会は一朝一夕に実現できない。ただ悲観するのは早計だ。法制度や社会が変わるのを待たずとも企業がやるべき有効策はある。

※連載「働く女性 ほんとの格差」は全6回です。同じ連載の各記事はこちらから
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 男女が置かれた環境の違いを認識し、女性を職場できちんと育成できれば、無理強いせずとも、今より多くの女性が企業社会で輝ける。そのエッセンスは(1)将来への不安を取り除く、(2)良質な体験を積ませる、(3)背中をやさしく押し続ける――の3点に尽きる。

「専業主夫がほしい」

 「仕事も好きだし続けたい。だけど結婚したいし、子どももほしい。でも会社の先輩をみていると、仕事で輝いているのは男性社員か、独身女子。このまま仕事を続けていったとして、私はどうなるんだろうと自分でも分からなくなります」

 大手食品会社の営業部門で働く野口リョウコさん(仮名、20代後半)はため息をついた。民間団体が主催したキャリアセミナーに参加していた。

 入社8年目。今、キャリアの壁に直面しているという。仕事は順調だ。飲食店やスーパーを担当しているので、営業活動は閉店後か開店前。朝9時には出社し、退社は午後10時を過ぎることもある。ただ、まだ若く体力もあるので多少の長時間労働は気にならない。営業の勘どころも分かってきた。入社間もないころは売上ノルマの達成に四苦八苦していたが、今は設定目標を上回る成果を常に残している。上司には「もう少し取引額が大きな顧客を任せようかと思っている」と前回の面談で言われたという。

 仕事にやりがいも感じる。だけど今の働き方をこれからも続けられるのか、自分の行く末を想像すると気分が暗くなる。35歳までには結婚して出産したいと思っている。残り5年あまり。逆算していくと時間は意外に残っていない。

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