働く女性 ほんとの格差

女性活躍推進から取り残されて 専業主婦、非正規に「開かない扉」 石塚由紀夫

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(5)専業主婦、非正規……「開かない扉」の前で

 働く女性で、「職場の女性活躍推進を実感できている」のはたった2割弱? 一体何が彼女たちの行く手を阻んでいるのか。家庭とのバランスに悩むワーキングマザー、子育て優遇にモチベーションを下げる独身女性、非正規社員や専業主婦のジレンマ、立ちはだかる「おっさん型社会」の壁など、日経編集委員が実態を浮き彫りにし、女性社員の力を生かすための処方箋を示す。

※連載「働く女性 ほんとの格差」は全6回です。同じ連載の各記事はこちらから
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女性活躍推進から取り残されて

 「女性活躍推進は全く実感ありません。役員コースに乗るようなバリバリのキャリアウーマンが対象で、私とは別世界の話ですね」。林ルミコさん(仮名、40代前半)は言葉を選びながら語り始めた。東京都内に夫と小学生の子どもと3人で暮らしている。現在は事務パートとして1日6時間、週3日働いている。

 1990年代半ばに東京女子大を卒業した。バブル経済崩壊後の就職氷河期の真っ只中。それでも狭き門をかいくぐり、第1志望の大手情報機器メーカーに総合職として入社した。営業部門を中心に約10年勤めた後、退社した。きっかけは妊娠・出産だ。

 「仕事は好きでした。残業も苦ではなく、連日遅くまで働いていました」。ただそれが災いした。妊娠が分かったときも、子育てしながら働くつもりだった。会社にもその旨、希望を伝え、産前産後休業と育児休業を取る前提で上司と手はずも整えた。

 だが産休に入る前に体調を崩した。流産の恐れもあるという診断で緊急入院した。「休む前に実績を残しておきたいと妊娠期に無理をしすぎました」。入院が長引き、仕事の引き継ぎを満足にできないまま産休に入った。子どもは無事生まれたものの、医師に「無理しない方がいい」と勧められ、退職を選んだ。

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