働く女性 ほんとの格差

女性活躍推進から取り残されて 専業主婦、非正規に「開かない扉」 石塚由紀夫

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 「出産までが慌ただしくて、保育所への入園準備が遅れたのも痛手でした。戻りたくとも子どもの預け先にメドが立たず、復職をあきらめました」。夫は会社員。家族3人で暮らすには十分な収入もあり、無理に共働きを続ける必要もなかった。

 もう一度働きたい――その思いは消えなかった。会社員時代の充実した日々が忘れられなかったからだという。

 子どもが小学校に入学すると、自由になる時間が増えた。学年が上がれば子どもの帰宅はさらに遅くなり、自由な時間がもっと増える。再就職を意識した。夫も、林さんが不測の事態で仕事を断念したことを知っている。『自由にしていいよ』と応援してくれた。

 ただ現実は厳しかった。大手企業で総合職として働いた経歴があっても、直近は専業主婦。同業他社の男性営業と互角に渡り合い、契約を奪い合っていた過去は見向きもされない。ハローワークで目ぼしい求人をみつけて応募しても、面接にたどり着けない。2015年秋にようやく採用されたのが今のパート事務だ。1日6時間、週3日働いて年収は100万円前後。電話番や書類作成が主な役割で、やりがいは会社員時代に到底及ばない。

 「子どもはまだ小学生だし、できれば残業は避けたい。条件が限られるから仕方ないとも思う。でもその条件を外してみても、やりがいのありそうな仕事はハローワークで探してもみつからなかった。女性活躍推進は私には無関係です」

 政府が女性活躍推進を掲げた13年以降、企業社会で「輝く女性」を多数取材した。女性初の執行役員、一般職から管理職への抜てき、ヒット商品を考案した若手女性……華々しい活躍をみせる女性たちがいる一方で、女性活躍推進と無縁の女性にも多数会った。

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