働く女性 ほんとの格差

セクハラ上司に「働く意欲」失った独身女性、しかも人事評価が急降下 石塚由紀夫

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 入社したときは早く結婚して仕事を辞めようと考えていた。でも仕事にどんどんのめり込んだ。「生活の中心が仕事でした。何人か交際した男性もいます。だけど結婚までは踏み切れませんでした。『結婚したら家事は私がやるのかな』『子どもが生まれたら、今みたいに働けないのかも』と考え始めると、前に進めません。いずれも自然消滅しました」。男性同期に若干遅れたものの、30代で管理職に昇格した。

10歳上男性上司から過剰な干渉を受ける

 以前から所属していた部署でしばらく管理職を務めた後、全く未経験の部門に異動になった。折しも会社が女性活躍推進を標榜。山崎さんは次期リーダー候補に選ばれたようだった。従来と異なる環境で今までと違う仕事経験を積ませて成長を促す狙いだと、当時の上司に説明された。「修行してこい」と送り出された。

 そこにいたのが、セクハラ上司だ。年齢は10歳ほど上。「困ったことがあったら気軽に聞いてください」。配属初日にやさしく声をかけられた。その後も「大丈夫? 順調ですか」「慣れない環境で無理はしすぎないように」と頻繁に話しかけてきた。

 「私のほかにも男性課長がいるのですが、彼にそれほど話しかけている様子はありません。不慣れな職場なので私を気遣ってくれているのだと思ってました。でも1カ月、2カ月と経つうちに、少し煩わしくなってきました。初めての部署ですが、私も社歴が20年になろうかという管理職です。事細かに気遣う上司の振る舞いは、まるで何も知らない女の子を相手にしているようで違和感がありました」

 男性上司の行動は、その後エスカレートしていく。自分が担当する顧客との商談に同行するように求められた。いずれも山崎さんの担当業務とは直接関係のない案件だ。商談の前後には打ち合わせと称して、会議室に呼ばれた。でも打ち合わせといいながらも重要な話はせず、大半は雑談だった。

 個人的なプレゼントをもらったこともある。「この前の商談がうまくいったから、その御礼」「たまたま出張先でみかけて、山崎さんの好みに合いそうだから」と何かしらの理由をつけて手渡された。最初は受け取っていたものの、だんだん気持ち悪くなってきた。

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