働く女性 ほんとの格差

「女性活躍ブーム」は迷惑? 子育てとキャリアの両立は難しい 石塚由紀夫

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 もともと女性が働きやすい環境だったので女性社員比率は高かった。ただ前線に出て稼ぐのは男性社員で、女性社員は内勤で事務など後方支援を担う――という男女の職域分離が暗黙のルールになっていた。なのに復職してみると、女性も営業の第一線にどんどん送り出されていた。

 「休んでいる間に会社は女性活躍を進めると明言し、女性管理職の登用目標を立てました。実際、女性管理職が増えていて驚きました。仕事はちゃんとこなすけど職場では控えめで目立っていなかった先輩とか、『えっ、この人が?』みたいな登用ケースもあって、びっくりです」。女性にも責任ある仕事を積極的に任せようと、会社は方針を切り替えていた。

 「女性を積極的に登用せよ」という大号令は現場の管理職にも徹底されていたようだという。樋口さんの職場で管理職昇格年次に当たる女性は、樋口さんくらいだった。復帰するやいなや、上司に「上を考えながら仕事をしていこう」と声をかけられた。入社以来、一度もいわれたことのないアドバイスだ。冒頭のリーダーシップ研修に参加したのも、上司の口添えがあった。

 同期入社の男性はほぼ管理職になっている。上司に期待を伝えられたり研修に参加したりすると「私もなれるかな?」と気持ちが前向きになる瞬間もある。でも、そのたびによくよく考えて「やっぱり無理」と思い直す。

子育てと仕事の両立はできても、キャリアアップとの両立は難しい

 最大の懸案は家庭だ。

 「夫は会社員。結婚したときから家事は一切やりません。子どもが生まれてからも基本的に変わっていません。どうしても仕事が忙しいときに頼めば保育所への送りはやってくれますが、朝夕の子どもの送迎は私の役割。夫も勤務先では管理職一歩手前の微妙な立場。今が踏ん張りどころなので長時間働いています。平日の帰宅はいつも子どもが寝てから。私は朝9時から夕方4時までの短時間勤務をしていますが、これでも保育所への送迎はいつも時間ギリギリです」

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