働く女性 ほんとの格差

「女性活躍ブーム」は迷惑? 子育てとキャリアの両立は難しい 石塚由紀夫

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(3)事情はそれぞれ……孤立無縁なワーキングマザー

 働く女性で、「職場の女性活躍推進を実感できている」のはたった2割弱? 一体何が彼女たちの行く手を阻んでいるのか。家庭とのバランスに悩むワーキングマザー、子育て優遇にモチベーションを下げる独身女性、非正規社員や専業主婦のジレンマ、立ちはだかる「おっさん型社会」の壁など、日経編集委員が実態を浮き彫りにし、女性社員の力を生かすための処方箋を示す。

※連載「働く女性 ほんとの格差」は全6回です。同じ連載の各記事はこちらから
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女性活躍ブームは迷惑?

 「上司には上を考えるように言われています。でもこれ以上の責任は負いたくありません。女性活躍ブームは迷惑です」

 大手企業に勤務する樋口ユミコさん(仮名、30代後半)と会ったのは、女性向けリーダーシップ研修の会場だ。様々な企業から数十人の管理職候補が参加していた。女性活躍推進の影響でこうした社外研修が増えている。他社の女性社員との交流を通じて相互に刺激し合い、キャリア意識を高めてもらう狙いだ。

 参加者に昇進・昇格への意気込みを聞いてみようと、たまたま質問したのが樋口さんだった。返ってきたのは冒頭のような予想と反する言葉だった。

 生まれは1981年。首都圏で育ち、2000年代前半に大学を卒業した。学生時代から、キャリアウーマンとして男性と肩を並べて働く自分の姿は想像できなかった。かといって結婚相手にすべてを委ねる専業主婦になるのも嫌だったという。

 「気兼ねなく使えるお金は自分で稼ぎたかった。結婚・出産しても、子育てをしながらもずっと働けたらいいな、と思ってました」。就職活動では女性社員の定着率が高い会社を選んだ。無事、内定をもらったのが今の勤務先。当時から、子育て支援が充実したファミリー・フレンドリー企業として女子学生の間で知られていた。

 結婚して15年に子どもを産んだ。出産退社を迫られることもなく、法定を上回る会社の育児休業制度を活用して、産前産後休業を含めて約2年休んだ。

 復帰してみると職場の空気が変わっていた。

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