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グーグル・アマゾン・マイクロソフト…テック企業に「モノ言う社員」 編集者・ジャーナリスト 瀧口範子(シリコンバレー在住)

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 米テック企業の社員による会社への抗議活動が目立つようになっている。

グーグルでストライキ、セクハラ報道が契機

 最近で思い出されるのは、2018年11月上旬にグーグルで行われたストライキだ。アンドロイドの生みの父として知られるアンディ・ルービンらトップレベルのエグゼクティブが、セクシャル・ハラスメントを働いたにも関わらず、辞職に際して巨額の退職金を提供されていたと報じられたのがきっかけだった。

 オフィスからウォークアウトするこのストライキは世界中で決行され、2万人が参加したと見られている。「ねえ、グーグル。それマジ?」とか、「9000万ドルくれるなら喜んで辞めるよ。それもセクシャル・ハラスメント抜きでね」などというプラカートが見られた。

 グーグルからは、その後11月末にも抗議文書が公開された。こちらは、中国政府のために特定の検索結果を表示させなくする技術を開発する「プロジェクト・ドラゴンフライ」に関するものだ。民主主義、言論の自由、基本的人権といった内容を非表示にすることは、人権を無視する中国政府に共謀するのと同じだ、という主張である。

 このプロジェクトの存在は18年8月にメディアにリークされ、その後1400人の社員が抗議文書に署名。抗議のために辞めた社員も数人いる。同年9月には、検索結果の検閲だけではなく、個々のユーザーの検索内容、ロケーション、電話番号などへも政府がアクセスできるようにしていると続いてリークされたが、抗議文書に対して会社から十分な返答がなかったために、文書が公開された。人権に及ぼす影響について、透明性と説明責任を求めるという内容だ。

アマゾン・マイクロソフト・セールスフォースでも社員が抗議

 グーグルだけではない。18年に入ってアマゾン、マイクロソフト、セールスフォースなどでも、社員が会社のビジネスや方針に対して抗議するということが続いた。

 マイクロソフトでは、同年6月に移民税関執行局(ICE)との契約を取りやめるよう457人が署名した。マイクロソフトがクラウドやデータベース、AIのサービスを提供するICEは、トランプ政権の方針に従って不法移民の取り締まりを強化している。「強力なテクノロジーは危害を与えるのではなく、良いことに使われるよう見守る重大な責任が、われわれ開発者にはある」と文書には書かれている。会社側は、同社技術はメールやドキュメント管理に利用されているだけで、移民家族をバラバラにすることには関与していない、と突っぱねている状態だ。

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