炎上しない企業情報発信

ユニ・チャーム、人気の動画が「炎上」招いた理由 治部れんげ

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 掲載媒体の編集方針まで遡って見た時、ワコールの広告記事は紙媒体に掲載されていたら、問題にされなかった可能性が高い。

 筆者は自分が好まない表現だから規制すべき、とは考えない。ただし、見たくない人、見ると不快に思ったり傷ついたりしそうな人の目には触れないような配慮は必要だと考える。たとえターゲット層とは異なっても、不快感を与えてしまうことは、企業にとって避けたいリスクである。インターネットを活用したマーケティングにおいては「メッセージを届けたいターゲット」を意識することに加え、「ターゲット以外の人が目にする可能性」を想定することが必要である。そして、起こりうる反応を何パターンも考えて、それに備えることだろう。特に近年は、SNS、とりわけTwitterで批判的な意見を添えて、動画や記事を簡単に拡散できるようになっているため、より配慮が必要になっている。

 タンポンの事例も、男性用下着の事例も、女性の生理現象を迷惑がったり、布の触感を女性の肌にたとえたりする発想は人として配慮に欠けている。これが根本的な問題であることに加えて、近年は、問題が発見されやすいメディア状況であることを理解したうえで発信をすることが求められている。

治部れんげ著『炎上しない企業情報発信』(日本経済新聞出版社、2018年)「第2章 なぜ優良企業のCMが相次いで『炎上』するのか」から
治部れんげ(じぶ・れんげ)
1997年、一橋大学法学部卒。日経BP社にて経済誌記者。2006~07年、ミシガン大学フルブライト客員研究員。2014年よりフリージャーナリスト。2018年、一橋大学大学院商学研究科経営学修士コース修了。日経DUAL、Yahoo!ニュース個人、東洋経済オンライン等にダイバーシティ経営、女性のエンパワーメントについて執筆。現在、昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。東京大学情報学環客員研究員。日本政府主催の国際女性会議WAW! 国内アドバイザー。東京都男女平等参画審議会委員(第5期)。公益財団法人ジョイセフ理事。一般財団法人女性労働協会評議員。著書に『稼ぐ妻・育てる夫』(勁草書房)等。2児の母。

キーワード:経営・企画、経営層、管理職、経営、営業、技術、製造、プレーヤー、イノベーション、マーケティング、人事、人材、研修

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