20代女性向けの製品CMは、その後も炎上が続いている。2016年10月には資生堂の化粧品ブランド〈INTEGRATE(インテグレート)〉のCMがインターネット上で批判された。
【1話】ルミネ、資生堂…なぜ優良企業のCMが「炎上」するのか
【2話】資生堂はなぜ炎上したのか 女性を「年齢や容姿」で判断?
【3話】ユニ・チャーム、人気の動画が「炎上」招いた理由
【4話】ハウス食品のCMが「ジェンダー炎上」の先駆け
働く女性への侮辱的な表現が問題になった資生堂〈INTEGRATE〉
CM動画は2種類あった。1本目は25歳の誕生日を迎えた女性と友人のパーティーを描くものだ。そこでは、25歳以上の女性は可愛くない、かつてのようにチヤホヤされないという趣旨の会話が交わされる。25歳以降も可愛くあり続けるために〈INTEGRATE〉を使って化粧をしよう、という示唆を残して動画は終わる。
2本目はデザイン事務所と思しきオフィスのシーンが描かれる。1本目にも登場した女性が眼鏡をかけて薄化粧をして仕事をしていると、上司から「がんばりが顔に出るのはプロではない」と指摘され、〈INTEGRATE〉を使ったら綺麗になって上司も驚いて振り返りました……というストーリーだ。
読者には、ルミネ動画が「炎上」した理由を思い出しつつ、〈INTEGRATE〉が炎上した理由を、ぜひ、考えてみてほしい。その考えを次のシートにメモしてから、先を読んでいただけたらと思う。
あなたが管理職だとしたら、2本目に登場する上司のコメントをどう考えるだろうか。それは、あなたの個人的な価値観に照らして適切なことだろうか。勤務先の人事ポリシーに照らすと、どうだろう。あなたの部下に、このようなことを言ったらどういう反応が返ってくるだろうか。
あなたが部下の立場だとしたら、このCMに出てくる上司の発言をどう思うだろうか。
25歳以上は「可愛くない」「チヤホヤされない」というCMに登場する女性同士の会話については、どうだろうか。それは、現実にあり得る話だろうか。あなた自身はこの会話を「普通のこと」と受け止めた場合、Twitter等で批判した人たちは、何に怒ったのだろうか。あなたと怒っている人の視点は、何が違うのだろうか。