多様性を認める組織

積水ハウス、女性活躍を支える「3つの視点」 積水ハウス執行役員ダイバーシティ推進部長 伊藤 みどり

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 「178人」。これは2018年4月現在の、積水ハウスグループにおける女性管理職の人数です。他業界と比べれば、まだまだ多いとは言えない数ですが、女性活躍推進に踏み出した2006年度の15人から10倍以上に。管理職候補となる主任数も1,037人。また、新入社員における女性の割合は、営業職で約25%、技術職では40%以上を占めるようになりました。

グループを挙げ、2006年から女性活躍を推進

 かつて建設住宅業界は典型的な男性社会。その中にあっても、あらゆる職種や階層に女性を「あたり前」に配置することをあるべき姿として挑戦し続けてきました。道半ばとはいえ、女性社員自らが、それぞれの能力と意欲に応じたチャンスをつかみ、成長を遂げてきた証であり、それを取り巻く組織そのものが変わってきたことを示しています。

 それには、女性の意識改革と上司の意識改革が不可欠でした。

「男性上司」の理解とサポートが不可欠

 どうすれば、女性が意欲を失わず働き続けられるのか、もっと能力を発揮できるのか。

 課題は職種毎に違いました。特に技術職では、管理職登用、スペシャリストの育成、職域の拡大が課題でした。技術職は専門職として目指すところが明確で、定着は良いものの、同じ年次の男性と比べると管理職の登用時期が遅いケースが散見されました。また組織のリーダーや、現場監督の仕事に就く女性は極めてまれでした。

 女性の技術者をもっと生かさなければもったいないと感じると同時に、採用時に女性の方が優秀だなどと良く耳にしてきた幹部の言葉は何だったのか……。

  その要因として浮かび上がったのは女性自身の「育児期の働き方」、と上司の「無意識のバイアス」でした。仕事の与え方(機会)、経験の量も質も男女で異なっていることは否めませんでした。30代~40代前半までの育児期は、仕事人生の中で最も成長著しいともいえる時期であると同時に、家庭責任が大きくのしかかる時期です。「仕事と育児の両立」は、家族の状況や保育環境、キャリアの考え方は人それぞれ異なります。だからこそ、上司は部下である女性社員としっかりコミュニケーションを取りながら、個々の状況や事情に応じた多様で柔軟な働き方を実現できる環境整備が重要です。

 さらに、両立するだけでなく、将来のキャリアプランを見据え、鍛えるという意識をもって支援に努める。育児中でも経験を積み、確実に成長するためには、上司の過度な配慮や遠慮は、無責任と言えます。鍛えるという意識は、女性社員の育成だけでなく、組織の活性化、成長につなげていく上でも必要不可欠だと考えます。

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