ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの挑戦

USJ、「クリスマスの集客」を倍増させた仕掛けとは? USJマーケティング・ディレクター 兼 個人投資家 秋山 哲

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 「最も行きたいテーマパーク・ランキング国内第1位」(トリップ・アドバイザー調べ、2018年)に選ばれるなど、話題に事欠かないのが、大阪市にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)です。USJはなぜ人々を魅了し続けるのか。その秘訣をUSJのマーケティング・ディレクター、秋山哲氏に解説してもらいます。

◇     ◇

USJ成功の源泉はマーケティング

 私がこの連載を書くことを決めたのは、近著『お金からの解放宣言~秘刀の投資法とお金の在りかた~』(かんよう出版)に関する多くのメールを、出版社経由で受け取ったからです。この書籍は個人投資家として執筆しましたが、受け取ったメールには書籍に対する感想は勿論、「投資家から見たUSJを語って欲しい」という要望が多くありました。こうした要望に応えるためにも、個人投資家とマーケター人口の拡大に寄与するためにも、連載に取り組みたいと考えたのです。

 マーケター兼投資家としての私の経験からお伝えすると、マーケターと投資家に必要なスキルは非常に類似しています。マーケターは消費者や顧客に対して価値を創造・伝達することが役割であるのに対して、投資家は企業が創造・伝達するものが市場で価値になるのかを見極め、必要なお金を拠出することが役割です。創造・伝達する価値が市場に受け入れられるのかが、マーケターとしても投資家としても成否を分ける最大のポイントになるのです。

 私は、USJのマーケターの1人ですが、個人投資家としてUSJを捉えても、私たちが成功し続けている理由はマーケティングに強みがあるからだと自負しています。

 書籍でも述べましたが、株式投資をする際には企業に強みがあることが重要な条件の1つになります。これらの強みは、価格競争力、販売力、商品開発力、マーケティング力、マネジメント力の領域のいずれかに存在します。なかでもマーケティング力とマネジメント力の2つは蓄積されたノウハウや文化で形成されているので、簡単には模倣できない持続可能な強みになります。

 マーケティングとは、消費者が商品を購入する理由をつくる活動であり、購入しやすい環境をつくる活動です。これらの活動を行う上で私たちの礎となっているのが「4C」です。

 一般的にはCustomer(消費者)、Competitor(競合)、Company(自社)という「3C」を重視しますが、私たちはChallenge(挑戦)を加えた「4C」を大切にしています。

 今回は、最初のCである「消費者」が商品を購入する理由をつくる活動について説明をしていきます。

 私たちの商品は、アトラクションやイベント、ショッピング、ダイニング、パークの街並みや雰囲気、クルー(従業員)との触れ合いなどです。これらの商品が「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」という1つの大きな商品を構成していますが、私たちが商品を開発する上で最も重視しているのは、「消費者を知り尽くす」ことです。このプロセスに多くの時間と労力を使いますが、この目的は消費者インサイトを発掘し、価値を創造・伝達することです。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。