ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの挑戦

USJ、「クリスマスの集客」を倍増させた仕掛けとは? USJマーケティング・ディレクター 兼 個人投資家 秋山 哲

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消費者インサイトから価値を創造し売上倍増

 クリスマスの「大切な人との関係はこのクリスマスが最後かもしれない!」というインサイトに対して、私たちが創造した価値は「心が揺さぶられる体験を共にすることによって、大切な人との絆を感じた時に湧き上がる強烈な感動」です。この価値を消費者に理解してもらえる形で伝えるために、それまでのメッセージを変更しTVCMなどの展開内容も大幅に変更しました。メッセージは、それまでの「一生輝き続ける思い出ができる場所」から「大切な人と絆が深まる場所」に変更し、TVCMなどの展開はそれまでになかったドキュメンタリーに変更し、圧倒的な感動空間と絆をリアルにイメージできるようにしました。

 結果、クリスマスの集客と売上は前年から倍増し大成功となりました。これは、USJのクリスマスに興味がありながらも来場していなかったゲストに足を運んでもらうことに成功した結果でした。また、USJのクリスマスは自分にとって価値があるとゲストに理解してもらえた結果でもありました。このように消費者インサイトは、それに即した価値を確実に伝達することによって同じ商品でも売上を倍増させるほどの力をもっているのです。

 投資家としても、インサイトを反映した商品開発やコミュニケーションをしている企業は、投資対象の候補になる可能性が高くなります。商品開発力は、原材料や部品などを調達する力とそれらを加工・統合する力が求められますが、消費者や顧客インサイトの解決策として開発活動を行なっている企業は市場に受け入れられる確率が格段に増します。また、商品の価値を消費者や顧客に伝える際にもインサイトを反映した伝え方とそうでない伝え方は、私たちのクリスマスの例でお伝えしたように非常に大きな差になります。マーケターとしては、消費者を知り尽くした上でインサイトを発掘し価値を創造・伝達すること、投資家としては、企業が市場に提供している商品とコミュニケーションがインサイトを反映したものになっているかを見極めること、これらが成否を分ける大きな分岐点になるのです。(連載の続きはこちらから

秋山 哲(あきやま・さとし)
1973年群馬県生まれ。中学卒業後に大工として働き、19歳の時に大学入学資格検定を取得。21歳で渡米しニューヨーク大学商学部卒業。25歳の1999年、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン開業のために現在の合同会社ユー・エス・ジェイに入社。数々のプロジェクトを牽引し成功をおさめる。現在は同社のマーケティング・ディレクター。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。現在は株式の長期集中戦略を展開し、直近10年間で元本60倍の実績を残す。著書『お金からの解放宣言~秘刀の投資法とお金の在りかた~』(かんよう出版)が大きな話題になっている。

キーワード:経営・企画、経営層、管理職、経営、営業、技術、製造、プレーヤー、イノベーション、マーケティング、人事、人材、研修

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