誤解だらけの健康管理術

インフルエンザの「カンペキな予防法」 うがいやマスクは効果なし? 健康企業代表・医師 亀田 高志

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 しかし、個人で行なう対策には限界があります。というのも、インフルエンザはヒトからヒトに伝染していく病気だからです。中にはスーパースプレッダーといって、一人でたくさんの人にうつしてしまうケースもあります。

 疑わしい状態であれば出社しないこと、それができるルールを策定し、それを受容する職場環境や雰囲気を醸成しなければなりません。働き方改革で長時間労働対策が謳われ、厚生労働省を中心に法令規則の整備が進められていますが、気合と根性を尊重し、無理を賞賛する文化が残っている企業もあります。上司や同僚にうつしてしまう事態を避けるために、症状があれば出社しないルールを徹底することは病原体への職場の対策となります。

 出社した人が勤務時間中に発熱した場合も速やかにマスクを着用してもらい、帰宅させる、あるいは医療機関にかかってもらう対応も職場目線の感染経路への対策に含まれます。

 インフルエンザの予防接種はその集団の7割から8割以上の人が受けていると、受けてない人の感染リスクまで減らすことが可能となります。特段の事情がない限り、予防接種も全員参加が大切です。宿主の視点では、過重労働や職場ストレスを全員参加で避けるようにできると効果的です。

 大切なことは、こうした個人と職場の両方のインフルエンザ対策を、経営者、幹部、管理職、一般社員の全ての関係者が、協力して取り組むことができるのか、という点です。

 近年、経済界から注目されている健康経営(R)でもインフルエンザ対策は重視されていますから、流行の始まるこの時期に、ご自身と職場の対策を見直してみてはいかがでしょうか。

※ 「健康経営 (R)」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です.

亀田 高志(かめだ・たかし)
株式会社健康企業代表・医師。1991年産業医科大学卒。大手企業の産業医、産業医科大学講師を経て、2006年から産業医科大学設立のベンチャー企業の創業社長。2016年に退任後、健康経営やストレスチェック活用のコンサルティングや講演を手がける。著書に「健康診断という病」(日経プレミアシリーズ)、「課題ごとに解決! 健康経営マニュアル」(日本法令)、「改訂版 人事担当者のためのメンタルヘルス復職支援」(労務行政研究所)などがある。

キーワード:経営、企画、人事、経理、営業、技術、製造、学生、経営層、管理職、プレーヤー、働き方改革、マーケティング、人材、研修

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