多様性を認める組織

ダイバーシティ推進は誰のためか 積水ハウスが考えること 積水ハウス執行役員ダイバーシティ推進部長 伊藤 みどり

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 「女性の活躍を推進していくことが、これからの企業成長のカギになる」。積水ハウスが推進するダイバーシティの取り組みは2005年、経営トップの決断から始まりました。当時、私は50歳。女性初の店長、女性初の営業成績累積300棟を達成するなど、「女性初」としての実績を積み重ね、営業としての仕事の面白さ、やりがいを強く感じていました。とはいえ、住宅・建設業界はいまだ男性中心の世界。女性営業として、管理職として、これから先どうしていくべきか、迷い始めていた時期だっただけに、トップの思いは一層強く心に響きました。

ダイバーシティが成長のドライバー

 なぜ当社は、経営戦略として女性活躍推進にいち早く注目したのか。それは、意欲をもって仕事に打ち込む女性社員のためでもありますが、お客様により良い住まい、幸せを感じられる住まいを提供するために他なりません。時代とともに、お客様のニーズやライフスタイルは変化していきます。だからこそ、住まいづくりのプロである私たちには、多様な感性やさまざまな視点が求められる。それは、まさにダイバーシティそのものです。

 例えば、女性としての視点、母親としての思いなどもその一つ。男性では気づきにくい部分に目を配ったり、生活者としての経験を反映したプランを提案したりできるのは、女性ならではの強みです。そうしたメリットを積極的に活かしていくことで、企業としてはもちろん、社員一人ひとりも成長し続けていける。そして、その成長がお客様満足の向上にもつながっていくと考えたからです。まさに競争戦略です。

 世の中はソサエティ5.0を目指して革新が目覚ましい。社会環境の変化とともに、企業と市場の関係も大きく変化してきました。建築系の学生の約40%が女性で、採用率も高まり、男性と変わらないレベルに達してきています。建築系の学生も、営業希望の学生においても、女性も男性同様に優秀な人が多いと感じています。その点から考えても、女性も男性と同じように「基幹業務」を担当してもらわなくては経営が成り立たないのです。一昔前までは「男性の職場」と考えられてきた建築業界でも、女性の活躍は目覚しく、結婚、出産後も働き続けることが当たり前になっています。

 これからは、多様な社員を活かしきるダイバーシティな組織が重要になる。企業の成長を支えるのは「人」であり、「ダイバーシティが成長のドライバー」だと社長の仲井は言います。

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