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積水ハウスが「男性社員に育児休業1カ月」 完全取得、宣言の狙い 積水ハウス執行役員ダイバーシティ推進部長 伊藤 みどり

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育児休業をどう活用するか、上司や家族とともに考える

 イクメン休業制度は、ただ育児休業を取得することが目的ではありません。休業期間をどう過ごすのか。その経験を仕事や家庭、そしてお客様や社会に対してどのように生かしていくのか。その意義や価値について、男性社員本人はもちろん、上司や同僚、家族とともに考え、個人にとってだけではなく、組織や家庭にとってもプラスになるよう活用しなければいけません。そのためにも、最低1カ月以上の休業が必要だと考えています。

 取得にあたっては、「家族ミーティングシート」をもとに、家族で休業中の家事・育児についてじっくり話し合い、しっかり計画を立ててもらいます。そのうえで、休業期間や引継業務、上司による休業中のフォロー計画などを明記した取得計画書を作成し提出してもらいます。ここで大切なのは、家族、上司や同僚とじっくり話し合なかで、育児休業の意義や価値についてあらためて意識し、有意義に活用してもらうことで、新たなイノベーションが生まれると期待しています。

 今後、障がいのある人や外国人など多様な人材、子どものいない社員も、いずれ親の介護などにより職場で支えられる立場になるかもしれません。制約のある社員の能力を最大限に引き出す取り組みで「お互い様」という社内風土をつくりたいと考えています。

 本制度の導入により、1カ月以上の育児休業を取得した男性社員からは、取得前と後で大きく意識が変わった、取得してよかったという声が多く寄せられています。「育児や家事の大変さがわかった」「家族の絆が強まった」「子どもの成長は一瞬一瞬が宝物であり、その瞬間に立ち会えたことに幸せを感じた」といった内容です。さらに「育児中や時短勤務のメンバーへの配慮ができ、職場全体のチーム力が向上」「子育てのしやすさを考えたプランを提案し、お客様に喜んでいただけた」など、仕事へのつながりも実感していることがよくわかります。現在約100人が育児休業の取得を開始し、予想以上の反響、関心の強さを感じています。

 今後、イクメン休業制度の実績をはじめ、取得によってどんな変化や効果が生まれたか、またはどんな課題が生じたか、といった事例なども公表していく予定です。男性が子育てにも積極的に取り組むことが当たり前の社会となるよう貢献することが、住まいにおける幸せを提案する住宅メーカーとしての、積水ハウスの新たな役割だと考えています。

伊藤 みどり(いとう・みどり) 積水ハウス株式会社執行役員 ダイバーシティ推進部長
1974年積水ハウス株式会社入社、モデルハウスでの接客・営業補佐業務を10年間従事。1984年第一子出産後、営業(総合職)に転換。2005年女性初の営業成果累積300棟を達成し、社長表彰を受ける。2006年人事部女性活躍推進グループ設置を機にリーダーに就任。2007年経営企画部の傘下に再編、女性活躍推進を加速する。2014年経営企画部ダイバーシティ推進室長。2018年執行役員ダイバーシティ推進部長

キーワード:経営、企画、人事、経理、営業、経営層、管理職、プレーヤー、学生、働き方改革、マーケティング、人材、研修

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