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積水ハウスが「男性社員に育児休業1カ月」 完全取得、宣言の狙い 積水ハウス執行役員ダイバーシティ推進部長 伊藤 みどり

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社内の8人に1人が参加、育児参加の重要性を学ぶ「イクメンフォーラム」開催

 「積水ハウスは約1,400人いる対象男性社員全員に1カ月の育児休業を完全に取得させる」。社長の仲井嘉浩から、2018年5月に指示された時、私は頭を打ちのめされたような衝撃を覚えました。ダイバーシティ推進部の責任者として、自分たちは何から手をつけたらよいのか。「これは社会貢献だ」と訴える経営者の方針を、どう組織の実態に落とし込むかがわれわれのミッションでした。

 その答えのひとつが、2018年10月18日に開催した「イクメンフォーラム」です。この日登壇した社長の仲井は、「スウェーデンで視察したが、平日の公園でベビーカーを押しているのは、ほとんど男性。男性の育児・家事参加が進む社会の成熟性を肌で感じました。日本でも男性育児が当たり前になる社会をつくる。そう決意しました。今回の制度に関して私は大きく3つの意義があると感じています。1つ目は、社員と家族が幸せであるということの重要性。2つ目は、社会的意義がある取り組みであるということ。そして、3つ目は、社内コミュニケーションの活性化です。皆さんは家事や育児、仕事との両立のなかで、きっと多くの気づきや葛藤があると思います。そのことを、社内だけでなく、社会にも発信し共有していきたい」と、メッセージを発信しました。

 この「イクメンフォーラム」は、3歳未満の子どもがいる男性社員及びその直属の上司を対象とする研修会。積水ハウス初の試みです。東京、大阪を含む全国109会場を中継で結ぶ、Webフォーラム形式で実施。約1,900人、全社の8人に1人が参加する大規模なものとなりました。

 NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事、安藤哲也氏による講演では、男性の育児参画が家庭・仕事・社会などに生み出すメリット、今だからこそ築ける子どもとの絆の大切さなどについて、解説してもらいました。「男性の育児参加はまだまだ少数派。積水ハウスのような大きな会社がこうしたチャレンジをするのは、とても意味があり心強いこと。ここから日本の社会も変わっていくと期待しています」とエールをいただきました。また、1カ月以上の育児休業を取得した男性社員、近く取得予定の男性社員による体験談や心構えなど、等身大の声を聞くこともできました。

男性の育児参加を支援する「イクメン休業制度」運用をスタート

 積水ハウスは、社長の仲井のイニシアチブにより、子育てを応援する社会を先導する「キッズ・ファースト企業」を目指し、男性社員1カ月以上の育児休業完全取得を宣言。従来の「育児休暇(最初の4日間は有給)」を拡充し、2018年9月1日から「特別育児休業(愛称:イクメン休業)」制度を新たに運用しています。

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