未来の働き方を大予測

欧州の若者は「薄給でブラックな訓練」に耐えてやっと就職 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

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決して企業の社会奉仕ではない、欧州のインターンシップ事情

 新卒採用ルールに関する連載、今回が6回目となる。新卒ルールのあり方と実効ある規制、そして、そもそもなぜ新卒一括採用がなくならずどんどん拡大しているのか、そして、日本以外の国では、大卒者の就職がどのようになっているかを書いてきた。

・新卒採用ルールの連載全7回はこちらから。1回目。 2回目。 3回目。 4回目。 5回目。 6回目。 7回目

 結局、職務限定型の欧米では、未経験者を大量に雇い入れることなどしない。結果、未経験学生は数少ないエントリーレベル求人を奪い合いするか、もしくはブラック覚悟で不人気職に応募するかになる。

 それがいやなら、学生の間にインターンシップなどで腕を磨くしかない。ただ、日本のインターンシップのような生易しいものではない。フランスでは3年制の大学在学中になんと14カ月もインターンとして働くのが「平均的な」姿なのだ。前回はどれだけの期間働かなければならないかを書いたが、今回はその職務内容や待遇などを書くことにする。その前に、欧米企業はなぜこんなに長期間、インターン生を受け入れるのか。

 欧米では日本より企業が社会責任を重視するから、なんてキレイごとでは語れない厳しい現実がある。欧米は2つの理由から、インターンシップを受け入れている。

エリートに対する「ここまでやるか!」というほどの厚遇型インターンシップ

 その1つが「希少人材の早期獲得(青田買い)」だ。詳しく説明することにしよう。

 たとえばフランスの場合、一般大学の文系学生などは人気企業からはまるで相手にもされない。彼らが欲しがるのは、大学より格上のグランゼコール出身者であり、それも、180校もある中で取り合いが起こるのは上位10校程度。さらにいえば、ここに在籍していても社会人学生や大学からの編入者は企業には好まれず、グランゼコール予備級から上がってきた生え抜き者のみが引く手あまたとなる。数にしてフランス全土で5000人程度だろうか。日本でいえば、東大と京大を合わせると約7000人なので、そのくらいのレベルと同等だろう。

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