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新卒採用を欧米流に改革すると、日本の若者はブラック職場行き? 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

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若年失業率が3割に迫る欧州諸国。本当に「脱日本型」のお手本になるか?

 新卒採用ルールに関する連載、今回が5回目となる。前回までで、新卒ルールのあり方、実効ある規制、そして、そもそもなぜ新卒一括採用がなくならずどんどん拡大しているのか、について書いた。

・新卒採用ルールの連載全7回はこちらから。1回目。 2回目。 3回目。 4回目。 5回目。 6回目。 7回目

 今回は、日本以外の国では、大卒者の就職がどのようになっているか、を考えていくことにしよう。

 「新卒一括採用をどう変えていくか?」。この話をするときに、決まって出てくるのが「欧米の話」だ。ただ、雇用事情に詳しい人間から見ると、そこで語られるのは「夢のような」一部の恵まれた人の話だけだ。いわく、大学中退でもグーグルに入れた天才システムエンジニアや、ファーウェイに年収80万元(1300万円)で新卒採用されたAIエンジニアの話とかだ。

 それはそれはすばらしい話なのだが、一方で、OECD40数カ国の中で、日本より若年就業率が高い国はほとんどない(年によって異なるが日本常に上位5位以内に入っている)。 若年失業率で見れば、米国は日本の2倍、フランスは3倍、イタリアは4倍、スペインは5倍といった状況だ。

 日本では新卒3年転職率が3割だと騒がれる(これは過去30年来変わらないことだが)、新卒で闇雲に就業することが良くないという声が起きる。ただ、欧州諸国では20台前半の年間転職率が3割程度の国が多い(日本は1年にすれば10数%)。

 あれあれ? 範とするはずの欧米はそんなに良い仕組みなのだろうか……。

 そう、今回は、理想とされる欧米型入職の現実を探る。

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