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新卒採用を欧米流に改革すると、日本の若者はブラック職場行き? 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

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 さらに驚くのは、こうした長期インターンシップをフランスの学生は何回も受ける。グランゼコール(大学より難しいエリート養成機関)では回数が特に多いが、一般大学の学生でも4回以上が25%、3回が24%、2回が26%と複数回経験者が8割近くにもなる。結果、大学生のインターンシップ期間は平均で14カ月にもなるという。ちなみに欧州の大学は3年制なので、その半分近くをインターンシップに使っていることになる。

 なお、こうしたインターンでも習熟が積めなかった学生は、見習い訓練を受けることになる。

 仕事を覚えるためには、それくらいのハードな実習が必要で、職務別採用の世界で職にありつくためには、こうした下積みが必要となる。日本のように、1週間程度のなんちゃってインターンシップが事足りるのは、その前提に未経験者を採用するという、新卒採用慣行あることに気づいてほしい。

 こんなことを書いても、まだ欧米に夢を描く人からは、「いやいや、何カ月も学生を受け入れて親切に研修をさせてくれるなんて、向こうの企業はやさしい。それに比べて」という声が聞かれそうだ。

 なので、次回は欧米(特に欧州)のインターンシップがどれほど過酷なものかを書くことにする。

海老原 嗣生(えびはら・つぐお)
1964年、東京生まれ。大手メーカーを経て、リクルートエイブリック(現リクルートエージェント)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計等に携わる。 その後、リクルートワークス研究所にて雑誌Works編集長。2008年にHRコンサルティング会社ニッチモを立ち上げる。雇用・キャリア・人事関連の書籍を30冊以上上梓し、「雇用のカリスマ」と呼ばれている。近著は『「AIで仕事がなくなる論」のウソ』(イースト・プレス)。

キーワード:経営、企画、人事、経理、営業、技術、製造、学生、経営層、管理職、プレーヤー、働き方改革、マーケティング、人材、研修、就職、就活、就活ルール

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