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新卒採用を欧米流に改革すると、日本の若者はブラック職場行き? 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

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 99%の普通の人は、基本、以下の二つの入職となる。

■組織の末端ポスト(エントリーレベル)が大量に空く企業にひとまず就職する。
■ある程度訓練を積んで、社会人枠で中途採用者と競争しながら入職する。

 この2つの方法について見ていく。

 まず、エントリーレベル採用だが、空席を組織末端に寄せることができない欧米で、なぜそんなに多くの下位ポストが空くのか。その理由は、(1)人員の流出が多い、(2)不人気で応募者が少ない、(3)成長著しくポストが拡大し続けているの3ケースが考えられる。

 (1)に関してはブラック職務の臭いが漂い、(2)は文字通り人気のない職務もしくは低待遇、唯一若者が進んでいきたくなるのは(3)の場合だけだろう。ただし、日本の新卒採用と違って、エントリーレベル採用は新卒向けではないため、(3)のケースでは腕に自身のある社会人が応募し、そちらの方が採用される可能性が高い。

 結果、普通の学生は、(1)ブラック(2)不人気・低待遇の仕事しか残らない。

 米国の求人サイトでエントリーレベル求人を見ると、店舗販売、コミッション営業、フィールドサービス、もしくは本当に小さな零細企業などが主であり、人気企業の採用でもたとえば「機種管理とオペレータ」(ATT)といった応募者が集まらず、定着も芳しくない職務となっている(唯一、コンサルティングファームのアソシエが人気職での例外的に多いが、採用レベルは高いので普通の学生には難しい)。

 こうした不人気・低待遇職なら、日本でも既卒者の未経験受け入れが通年で行われている。たとえば、不動産営業や携帯電話ショップ、飲食店、コールセンター、カスタマーサポートの特定派遣などなどが上げられるだろう。その点では日米とも対して変わりわせず、見習うほどのこともないとわかる。

中途採用で社会人と争うために腕を磨く=インターンシップ

 普通の学生たちのもう1つの入職方法である「職業訓練を積んで、入職する」についてみてみよう。、学生たちはどのように「腕を磨いて」即戦力となるのか。

 そのためには、大きく2つ方法がある。大学在学中に自主的に行う企業実習(インターンシップ)。そして、公的機関による企業実習(見習い訓練)だ。

 社会人相応に腕を磨くことがその目的となるから、日本のインターンシップのように「長くて1カ月、多くが1日・2日」というものとは全く異なる。

 基本は、長期の実習となる。フランスの企業に聞いたインターンシップの受け入れ期間の調査によると、一番多いのが「4カ月以上」で49%と約半数。続いて3カ月が22%でここまでで70%を超える。続いて2カ月が17%。2カ月以上トータルで89%ともなる。夏休みよりも長いのが、向こうのインターンシップのごく普通な姿なのだ。

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