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なぜ新卒一括採用がなくならないのか? 外資も真似する理由 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

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人事管理から新卒採用を考える。魔法の人員補充術

 ここに大きな自動車メーカーがある。毎年数百名が定年や転職などで辞めていく。今年も以下のようなキーマンが退職をした。

・燃料噴射装置の開発責任者(部長格)
・車体懸架システムの部門長(事業部長格)
・販売戦略/代理店統括の総責任者(執行役員格)

 では、この3人の穴を埋めるには、どうしたらいいか。

 実は日本でも空席は大量に生まれている。ただ、その多くが定年によるものではあるが。

 さて、ここで、「欧米のように、外から採るべし」と考える人に聞きたい。

 その外から採るべき人とは、いったいどこにいるのか?

 まず上記のような自動車メーカーのプロは、新聞社や商社や銀行には全くいないだろう。同じ理系であっても家電や重電メーカーにはやはりいない。燃料噴射も車体懸架も、いずれも自動車メーカーかそのパーツサプライヤーにしかいないのだ。中途採用の場合、明日からその仕事をこなせる人しかリクルートされない。とすると、それは、競合他社の同職同ポジションにいる人のみしか対象とならない。それが針の穴を通すほど難しい採用になるのは、人事をやったことのない人でもわかるだろう。

 そして、無理をして競合から同職同ポジションを獲得すれば、今度は採られた会社でそのポストが空席となるから、採り返しが起こる。そんな感じで、欧米企業の場合、採った採られたの繰り返しとなる。体感値で語るなら、人材採用の半分以上が、こうした採り返し系の補充となるのだ。

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