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就活ルールに妙案は? 実は「就職ナビの規制」こそがカギ 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

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 とすると1月1日企業の採用広報解禁(サイトオープン)、4月1日面接解禁なら、ルール無視企業も1月中は説明会開催ができず、ルール遵守企業同様に2月説明会開始で足並みがそろう。そこからルール無視企業はいきなり面接まで突き進むのに対して、ルール遵守企業は説明会のみにとどめ、本選考は4月1日からとなる。ただ、この程度の差であれば、たいした問題にはならないだろう。

 ただ、これだと、サイトオープン後、学生は採用広告を見る暇がなく、すぐ、企業の説明会に申し込まねばならない。就活知識をつけたり、各企業を勉強したり見比べるといった余裕がなさ過ぎて、行き当たりばったりの就活となってしまう可能性がある。1月1日オープンだと年末年始の祭事・家庭行事などもあり、しかも後期試験の準備にも重なる時期だ。こんな問題が出るだろう。

 そこで、もう少々広報解禁を前倒しにして、12月中旬にするのがベストといえそうだ。サイトオープン直後は、有名企業の合同説明会や就活フェアが催される。就活慣れしていない多くの学生はまず、そちらへ足を向ける。この時期にフライング採用をする企業が現れても、そちらへの応募は必然少なくなる。だからやはり、ルール違反は起こりにくいと読む。

唯一最大の抜け穴=インターンシップによる偽装説明会

 さて、ここまでは、就職ナビがオープンしていなければ、企業は学生募集することが困難であり、当然、説明会開催も無理と書いてきたが、現実的には、一つだけ抜け道がある。

 それは、インターンシップ名目での募集だ。インターンシップという名を語れば、大手就職ナビサイトでも、早くから学生募集ができる(インターンシップ募集ページとなるが)。そこで、1dayインターンシップという名目で説明会を開催してしまえば、いくらでも抜け駆け募集ができる。

 実際、広報開始が後ろ倒しとなるたびに、そういう抜け道を使う企業が増えていると、データからは読める。

 たとえば、広報解禁が10月から12月に後ろ倒しとなった2013年は、解禁早々の12月に、いきなり面接に進む学生が7%も現れている。ルール改変前の2010年だとオープン月(10月)には2~3%だったものが3倍増だ。採用プロセス的には、説明会を経てから面接をするのがふつうだからだ。とすると、それ以前に「1dayインターンシップ」という名の説明会を受けていたと考えられる。

 広報開始は3月にさらに後ろ倒しとなった2016年には、オープン直後の3月になんと面接を受けた学生が2割も現れている。これなど明らかに、事前に1Dayインターンシップという名で説明会を終えていたとしか考えられない。

 実際、リクルートの調査では、2018年のインターンシップはその過半(53.4%)が1日となっている。そしてこの数値はかつて旧ルールの4月1日選考解禁だったころは、たった12.4%だった。この間に、全体の実施率も43.5%から73.4%に伸びているが、計算するとその伸びのほとんどがからあきらか1Dayによることがわかる。そう、2013年の就活ルール改悪で採用活動が遅くなりすぎ、解禁ルールを守れなくなった多数の企業が、1Day偽装説明会を開催している。それは取材でも散々聞いている。

 これで結論は見えただろう。

 そう、抜け駆け対策として「インターンシップに名を借りた説明会」対策を打たなければ、就職ナビコントロールは中途半端に終わる。ここに徹底的にメスを入れるべきだ。

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