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就活ルールに妙案は? 実は「就職ナビの規制」こそがカギ 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

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企業の広告掲載開始日が、10月1日→12月1日→3月1日と2回後ろ倒し

 従来、このネット上での「広告」「応募」に規制はなかった。そこで、大手就職ナビは3年次の10月1日に求人広告の掲載を開始し、その日から応募(プレエントリー)も可能にしていた。ここから企業は説明会への集客をし、説明会がひと段落したところで、本番の先行活動へと移る。

 それが、4大臣指令のあった2013年には全国求人広告協会の申し合わせで解禁日を12月1日に設定するようになった。

 その翌年には、解禁日が3月1日へとさらに後ろ倒しになる。このルール設定により、学生のエントリーや企業の説明会への集客がどう変わったか。大手就職ナビであるリクルート社のリクナビに関するデータで振り返ってみよう。

 10月1日オープンだった2010年では、学生のエントリー受付開始は10月にドーンと増える。企業側も10月~1月の各月に説明会を開催し始める企業がそれぞれ10%前後現れる。

 採用広報の開始が12月1日となった2013年は、学生のエントリー受付のピークは12月となり、それは6割の高率にもなった。もちろん、それ以前の開始は少数となる。企業の説明会開催だか、12月13.4%、1月18.2となり、それ以前の開催はごく少数となる。

 オープンが3月1日、へと再後ろ倒しされた2016年の状況は、学生のプレエントリーのピークは3月。企業の説明会開催開始時期3月がピークとなりそれ以前はほとんどない。

 お分かりいただけただろうか。当たり前のことながら、現在の就活は企業も学生も就職ナビなしには動くことができない。だからこの就職ナビオープン日が事実上の「解禁日」となるのだ。就職ナビがオープンするまではルール無視企業でさえ、手も足も出ない。現状であれば、就職ナビがオープンする3月1日が事実上の採用活動解禁日であり、そこから先は、ルールも規制もあったものではなく、説明会→面接→内定へ雪崩を打って突き進んでいく。

 とすれば、ルール違反対策への特効薬は「就職ナビのオープン時期」コントロールであることがよくわかるだろう。

後期試験期間だけは学生が集まらないから、説明会が開催されない

 ただ、企業側が手も足も出ない「就活ストップ時期」がある。それは、3年の後期試験期間だ。

 たとえば、就職ナビのオープンが10月1日だった2010年でも、12月1日だった2013年でも、企業の説明会開催は2月開始がピークとなっている。面接開始が両年とも4月1日だっためこのルールを遵守する企業はあまり早く説明会を開催しはしない。一方、新年明けからは後期試験が始まるので、その準備期間である12月末から試験修了の1月下旬まで、説明会は開きづらい。こうしたことから、2月(もしくは1月下旬)に説明会を開始する企業が多かったのだ。

 この二つ、ナビの解禁時期と試験日程を使うと、実に効果的に「ルール違反」を防止できるのだ。

(1)ナビがオープンするまで、学生も企業も就活は事実上、できない。

(2)試験期間中はさすがに企業も説明会はできない。後期試験中の1月はいくら抜け駆け企業でも説明会開催がはばかられる。

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