未来の働き方を大予測

就活ルールに妙案は? 実は「就職ナビの規制」こそがカギ 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

就活ルールに妙案あり

 就活ルールに関する連載の第3回目となる。そもそも、就活時期にルールを設けず完全自由化した場合、それは超早期化となり、企業も大学も消耗戦となるという過去の苦い歴史がある。結果、面接解禁日は4年次4月1日に落ち着き、小康状態を保った。それが、学術・大学側から「後ろ倒し要望」が始まり、最後は政治主導で8月1日への後ろ倒しが要望され、ルール変更となった。

・新卒採用ルールの連載全7回はこちらから。1回目。 2回目。 3回目。 4回目。 5回目。 6回目。 7回目

 ただ、この新ルールは違反企業が続出し、ルールを守った正直企業が馬鹿を見るということになった。一方、学生側もルール遵守企業と違反企業両方を受けることにより、就活はかえって長引く。こうした状況で、もういっそルールなどなくしてしまえ!という経団連会長の発言が生まれ、それが昨今、マスコミをにぎわすことになる。

 そもそも、就活ルールには、それを破ったとしても「罰則がなく」「管理報告体制もない」。だとすれば、実効性など伴わず、あっても意味がない、という結論に至る。

 ただ、なくせばまた、超早期化で企業も大学も苦しむ。さあどうしたら……と90年も堂々巡りを続けてきたのだ。

 確かに、この問題への妙策はなかった。「なかった」と過去形で言うのには意味がある。実は、ここ10年に限れば、かなり効果的な規制策がある。

 今回は就活ルールに関して、いかにすれば、違反企業を激減させられるか、を考えることにしよう。一足飛びに新卒一括採用をなくすことはできないのだから、この仕組みがあることを前提に、大学生にとっても企業にとってもより問題が少ないように、妙案を考えていくことにしたい。

学業阻害も抜け駆けも防止する唯一の方法が、就職ナビ規制

 さて、就活ルールについて、過去はどうにも規正ができなかったものが、なぜ、昨今は、効果的にそれができるようになったのか。それは、ネット社会となり就活に就職ナビが浸透したことが背景にある。昨今では、かなり人気の高い企業でも、自社ホームページだけで学生募集を行うことは困難だ。大手就職ナビに採用広報を頼らざるをえない。とすると、就職ナビへの企業の広告掲載日をコントロールすることで、企業の採用活動は制御できる。つまり、就活ナビ規制を徹底することが、一番の妙策となるのだ。

 具体的には、「企業の新卒募集広告を載せる解禁日」「学生がナビ上の企業に応募(プレエントリー)する解禁日」が決まれば、原則としてそれ以前には企業の募集・学生の応募はできなくなる。だから、ここに徹底的な規制を掛ければよい。それだけのことだ。

 過去の状況を見てみよう。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。