急拡大する中国・貴陽のデジタル経済圏

中国・貴陽、「物流版ウーバー」は世界を視野に エクサイジングジャパン/翼彩創新科技(深圳)CEO 川ノ上和文氏 に聞く

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 フーマーは、スマホで注文すると30分程度で宅配してくれる利便性をウリにしています。アプリ経由で購入すると購入履歴の解析から定期購入をレコメンドするなど、小売業界におけるデジタル変革を推進するリーディングカンパニーです。ECの利便性を高めることで、わざわざリアルの店舗へ行く付加価値をも高めようとしています。いまフーマーのリアル店舗は、店内で買った新鮮な食材をその場で調理してもらいイートインできる、体験型エンターテイメント施設へと変貌を遂げています。

 さらに面白いのが、貴陽貨車幇科技にはテンセントが出資していることです。このように小売・EC業界のビッグデータ活用を推進するアリババ、そして多領域でアリババと競争を繰り広げるテンセント、2大企業が貴陽をどう活用するのか。物流ユニコーンの貴陽貨車幇科技とどのような関係を構築するのか、日本企業も学ぶべきことがあるように思います。

――貴州省・貴陽におけるビッグデータ産業の最新事例を、日本の企業はどう捉えるべきでしょうか?

 物流領域のみならず、第2回の医療第3回の農業においても、貴陽でビッグデータ産業を牽引する企業群は、日本の特に大手企業にとっては「既存の業態を破壊する可能性のある脅威」だと映るのではないでしょうか。第1回でも話した通り、だからこそ彼らの動向をウォッチしておくべきです。日本企業の強みを活かして入り込む余地もあると考えています。

 例えば物流領域では、チルド輸送の温度管理や食品輸送の衛生面はかねてより課題視されています。貴陽貨車幇科技はドライバーの豊かさを追求する素晴らしい企業です。これからはユーザー目線でのサービス向上も課題となるでしょう。スピード重視でビジネスを展開する中国では、失敗案件も少なくなく多産多死、サービスやブランドへの定着率は低く、熱狂的なファンを獲得しづらい状況です。品質管理や顧客満足度向上、CSRやブランディングなど日本企業のノウハウは、参入や協業において強みとなるのではないでしょうか。

川ノ上和文氏(かわのうえ・かずふみ)
株式会社エクサイジングジャパン/翼彩創新科技(深圳)有限公司 CEO
2017年に深圳で翼彩創新科技(深圳)有限公司を設立し、その後東京に進出。深圳を中心に産官学の現地ネットワーク開拓、業界団体、起業家コミュニティ、インキュベーター、アクセラレーター、大学創業コミュニティなどとの関係構築、国際連携のニーズ把握を行い、日本企業との橋渡しやその後の事業開発のサポートを行っている。2018年より貴州省へも業務拡大。

(聞き手はフリーライター 藤川理絵)

お知らせ
日本経済新聞社は2018年12月、中国・貴陽、深圳を訪問する体験型視察プログラムを実施します。
詳細・申し込みはこちらからご覧ください。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。