急拡大する中国・貴陽のデジタル経済圏

中国・貴陽、「物流版ウーバー」は世界を視野に エクサイジングジャパン/翼彩創新科技(深圳)CEO 川ノ上和文氏 に聞く

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 物流に最適な交通インフラを設計・構築するためには、物流データが1か所に集中していた方が都合がよい。独占を禁じるよりも社会課題の解決を優先したということです。貴陽貨車幇科技は行政からあらゆる優遇を与えられる一方で、自社サービスの利用者から得られたビッグデータを行政に提供しているのでしょう。

――貴陽貨車幇科技の物流におけるビッグデータ活用状況についてお聞かせください。

 貴陽貨車幇科技のサービスを簡単にいうと「物流版ウーバー」です。アプリを立ち上げると、いま近くにどれくらいの貨物を積めるトラックが稼働可能かを確認でき、自分の積載量と比較して依頼可能なトラックを選び、食品か家具かなど貨物属性を選びます。ウーバーやディディ(中国のライドシェアサービス)と同じように、行き先もアプリ上で指定します。引き受け可能なドライバーが荷物をピックアップに来てくれて、配送依頼は完了です。

 配送が完了すると、お互いにパフォーマンス評価を登録します。これもディディなどと同じ仕組みですね。間違いなく配送されたか、配送物が盗まれたり破損したりといったトラブルはなかったか、など配送結果や顧客の評価が個人のドライバーに紐づいて可視化されるわけです。

 つまり、物流領域でビッグデータを活用することで、信用経済のシステム構築も進んでいるということです。信用のないドライバーには頼みたくないし、信用スコアが自分に紐づくとなればモラル低下に対する抑止力も働きますから。

貴陽発の物流ユニコーン

――貴陽の物流ビッグデータの今後は

 第1回でも話したように、貴陽は「ビッグデータ先導試験区」です。貴陽での実験が他エリアへ展開されることも十分考えられます。貴陽貨車幇科技では、ウイグル語やウクライナ語などアプリの多言語対応をすでに完了しています。中国全土どころか、「一帯一路構想」に乗って世界進出をも見据えているかのように思えます。貴陽がある西北エリアは一帯一路の起点にもなり、ウイグルから中央アジア、そして欧州へとつながっていきます。

 アリババとの提携もあり得ない話ではありません。アリババ傘下の生鮮食品スーパー「盒馬(フーマー)鮮生」は、内陸部では数少ない店舗を貴陽に構えていますし、第2回で紹介したアリババヘルスの事業展開も発表されました。アリババグループとしても貴陽にデータセンターを構えています。

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