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ベーシックインカムによって「超増税」社会が来る?! 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

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 原田型BIは、労働報酬に網羅的に30%の所得税をかける、という言葉でまやかしをしているが、その正体は以下の通りだ。

■所得税の規模を13.9兆円から77兆円へと、63兆円も増税する。
■その税負担を中間所得層に強いる。
■一方で高所得者の負担は軽減する。

 結局、日本の財政を成り立たせるには、大幅な増税をし、そのうえで、行政サービスをスリム化するしかない。ただ、増税は、高額所得者からいくら搾り取っても、その人数自体が少ないために、税額はあまり上がらない。一番効果的なのは、ボリュームゾーンである中間層の税率を上げることだ。ただ、彼らは人数が多いだけに、選挙の票数に直結する。だから、政治家が彼らに高負担を強いることは難しい。

狙いは超増税・サービス低減?

 こんな中で、どの国も負担感が少ない消費税という形で時間をかけて少しずつ税率を上げてきたのだ。ただ、63兆円を増税ともなると、消費税換算で25%ものアップになる。そんなことはとてもできやしない。

 ところがBIという目くらましを使うと、一挙に63兆円もの増税ができる。それも苦戦していた中間層の負担増が、あっけなく成し遂げられる。と同時に、行政サービスも再編しながら、民生や公共事業を大幅に減らし、その上、固定資産税の増税までも成し遂げられる。

 それが原田方式の本意ではないか。超増税・サービス低減を知らないうちに実現するだけの話ではないか。

 そして、その63兆円は必要もない人たちにばらまかれる。今実現可能といわれるBIとはその程度のものでしかない。

海老原 嗣生(えびはら・つぐお)
1964年、東京生まれ。大手メーカーを経て、リクルートエイブリック(現リクルートエージェント)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計等に携わる。 その後、リクルートワークス研究所にて雑誌Works編集長。2008年にHRコンサルティング会社ニッチモを立ち上げる。雇用・キャリア・人事関連の書籍を30冊以上上梓し、「雇用のカリスマ」と呼ばれている。近著は『「AIで仕事がなくなる論」のウソ』(イースト・プレス)。

キーワード:経営、企画、人事、経理、営業、技術、製造、学生、経営層、管理職、プレーヤー、働き方改革、マーケティング、人材、研修

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