日経ソーシャルビジネスコンテスト関連特集

100年企業が大切にする長生きのヒント 慶応大学大学院特任教授/横田アソシエイツ代表取締役 横田浩一

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SDGsに取り組む

 SDGsに積極的に取り組む経営者たちがいる。金沢青年会議所はその一例だ。理事長を務める福光屋(石川県金沢市)専務の福光太一郎氏が創業1625年の造り酒屋を経営するなど、長寿企業の会員も多い。金沢商工会議所は金沢工業大学や国連大学、JICA北陸と共同で、会員企業を対象に企業理念にSDGsを導入する企業研修を実施。一般市民向けに社会課題をテーマにするSDGs映画会を実施している。

 「金沢の長寿企業は、街の発展とともに商売をやってきました。自分たちの事業を継続していくことの活動の中に、自然と地域に貢献するという意識や行動は組み込まれているのです」と福光氏。金沢の長寿企業にとって、街の発展と自社の存続は同義語なのだ。金沢青年会議所はさらに、日本青年会議所内においてSDGsに興味のある会議所とのアライアンスを組み、情報共有や事業紹介をして、活動内容を全国に広げている。SDGsというツールは、長寿企業がもっている良さを再確認し、さらに成長させていくために有効なのだ。

長寿企業に共通すること

 このように、どの経営者にも共通していることは、トップライン(売り上げ)を急激に伸ばすことを嫌う。売り上げは維持できれば十分で、品質やサービスの質にこだわることを大切にする。そのために従業員を大切にし、地域やステークホルダーを重視、長い付き合いをしていくのだ。また、将来のリスクを少なくするため、少しずつ時間をかけて事業拡大や改善を実施する。大きなリスクがあっても、乗り越えられる財務的な体力をつけることを重要視している。

 長寿企業の要諦とは、長期的視点に立った経営、利害関係者との良好な関係だ。特に顧客と従業員そして地域に対してはとても配慮し、共生、共創を大切にしている。企業を自分たちだけのものではなく、地域、社会と共にあるという感覚があるのだ。そしてリスクに備えること。事業リスクはもちろん、不況や天災、事故などに備えて不動産などの資産を蓄える。金融機関との良好な関係を保つことを心掛けることや、不動産など資産を持つことによってリスクに備える経営者も多い。

 SDGsを勉強し考え実行することは、サスティナブルな経営とは何かを考える良い機会なのだ。日本の長寿企業から学ぶべき点は数多くあるし、長寿企業にとっても、サスティナブルとは何かを見つめ直すことができるのだ。

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