日経ソーシャルビジネスコンテスト関連特集

「がん」に直面した会社員が考えるソーシャルビジネスとは? 慶応大学大学院特任教授/横田アソシエイツ代表取締役 横田浩一

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すぐれた起業家の発想とは

 最近マーケティングにおいて「エフェクチュエ―ション」という考え方がある。バージニア大学サラスバシ教授が多くの起業家(アントレプレナー)と熟達者(エキスパート)を対象に研究し提唱した。優れた起業家は、事業を起こすときに、直感を大切にして、小さく試してみて、実行しながら、自社のリソースに適合した市場にビジネスをフィットさせていく。手近なところで取り組める活動を見出し、それをつなげ、組み合わせることを大切にしていく。STPマーケティングに代表されるように市場を分析してから、売り上げ予測をたて実行に移る大企業で行われているような手法ではない。

 すぐれた起業家は、自分が誰なのか、どのような知識を持っているのか、誰を知っているのかを認識している。そして、今あるリソースでものごとをはじめ、事業の展開の過程で起こる様々な予期しないことを事業に上手く活用していく。そして、市場は発見されるより創られると考えている。

 西口さんが実行していることはまさにこれ。実行できる範囲のことを、試行錯誤で、いつ自分の命がなくなるかもしれない状況の中で、無我夢中で志をもって行動している。実行しているビジネスモデルはまだまだ試行錯誤ではあるが、解決したい課題は明快だ。社会的価値と経済的価値でいけば、社会的価値は大きく、それから経済的価値が大きくなるという構図だ。

現場を見ることから一歩を

 西口さんは特別だと思う人もいるだろう。でも、西口さんは、大学卒業後、ベンチャー企業で猛烈に働いてきた普通の人だ。本人曰く「本当に家庭を顧みないダメなサラリーマンでした」。でも、娘にいつも家庭にいない父親というイメージのまま死んでいっていいのかと考え、体調のこともあり、生活を一変した。仕事、キャンサーペアレンツの活動と、家族や娘との時間のすべてを大切にしている。「病気にならなければ気付きませんでした」と西口さん。

 何か社会的活動をしたいのだけど、何が課題かわからないという人も多い。社会課題は、高齢化が進んだ地方や、開発途上国などに顕在化している。社会的弱者も増えてそれをサポートする団体も数多くある。このような現場を見ることがまず第一歩だ。

 日経ソーシャルビジネスコンテストの応募締切は2018年8月末。どの社会課題を解決するのか、目的意識をしっかりもったアイディアを期待したい。

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