石澤卓志の「新・都市論」

銀座の地価は突出して高いが、バブルではない 【最終回】みずほ証券 上級研究員 石澤 卓志氏

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 国税庁が7月2日に公表した路線価によれば、全国の平均変動率は前年比+0.7%(前年調査では同+0.4%)と3年連続で上昇し、上昇率も2年連続で拡大した。路線価は、相続税や贈与税の税額を算定する際の基準となる土地評価制度で、国税庁が「公示地価の80%程度」を目安に算定している。このため3月下旬に公表された公示地価を見れば、路線価の内容はおおむね予想できる。しかし今回の路線価には、予想を上回る興味深い特徴が多かった。

■都道府県別の上昇率トップテンは、3年連続で同じ顔ぶれ

 今回の路線価について、都道府県別の平均変動率を見ると、前年調査で上昇率2位(東京都と同率)だった沖縄県が同1位にランクアップし、同2位は東京都、同3位は前年調査でトップだった宮城県となった。上昇率トップテンは、順位が多少入れ替わったものの、3年連続で同じ顔ぶれだった。

図表1:都道府県別の路線価の推移

 沖縄県の地価上昇は、ホテル建設の増加などインバウンド関連の要因が中心だが、那覇市周辺でモノレール延伸により住宅需要が拡大したことや、道路整備による物流の活発化なども寄与した。個別地点では、那覇市の最高路線価(久茂地3丁目・国際通り)は前年比+10.4%と、前年調査(同+6.3%)から上昇率が大幅に拡大し、「都道府県庁所在都市の最高路線価」の上昇率としては全国10位となった。

 東京都の路線価の上昇率は、リーマンショック後の2010年は全国47位(最下位)だったが、翌2011年に同6位に躍進し、2012年以降は同4位内をキープしている。「リーマンショックのダメージが大きかった」ものの、経済機能が集積しているため「回復も早かった」と言えそうだ。

 宮城県は東日本大震災(2011年3月)前の2011年の路線価(同年1月時点)の上昇率が全国25位、震災後の2012年の上昇率も同24位だったが、2013年に同トップとなった。震災から2年近くを経て、復興需要の効果がようやく顕在化したようだ。同県の路線価の上昇率は、2016年が全国2位、2017年が同トップと、その後もランキング上位を維持したが、2016年頃から地元経済の好調による効果が、復興需要の効果を上回るようになった。特に、2015年12月に仙台市で地下鉄「東西線」が開通し、その沿線で住宅需要が拡大した影響が大きかった。今回調査で、仙台市の最高路線価(中央1丁目・青葉通り)は前年比+12.4%の大幅上昇を達成し、「都道府県庁所在都市の最高路線価」の上昇率としては全国8位(前年と同順位)だった。

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