なぜ、御社は若手が辞めるのか

なぜ、御社は若手が辞めるのか~離職につながる12の理由 青山学院大学経営学部教授 山本 寛

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【ケース2】生命保険販売推進職Dさん(38歳男性)※人材派遣会社営業から転職

 前社は従業員が若く、新卒者を大量に採用。そのため途中で辞めようと思って入ってきた人が大部分だった。

 「会社もそういうスタンスなんですよ。人材派遣や転職の斡旋(あっせん)をしているわけですから、『別にあなたたちは自由だよ。辞めていいんだよ』っていうくらいの雰囲気なんで転職はしやすいですよね。同期もどんどん辞めていきますし、平均勤続年数は6~7年くらいですね」

 Dさんの転職のきっかけは評価されなかったこと。社内の営業成績でトップ10に入るほど実績をあげていたが、4年目で上の役職に上がれなかった。

 「同期100人くらいのなかで、だいたい入社4年目に95人がリーダーになり、残りの優秀じゃない人間が5年目にリーダーに上がるんです。僕は成績も非常に良かったので、4年目で当然リーダーに上がるものと考えていたんですが、上がれなかった。同期はみんな上がっていき、3、4人くらいが取り残されて。納得がいかなくて、当時の上司になぜかと聞いたんです。

 理由は同じ支店内に1歳上で、5年目にリーダーに上がった人がいたから。「順番なんだ。5年目の彼を4年目の君が抜くのは、会社のバランスとしておかしい。半年待ってくれ」と上司に言われ、納得はいかないけれども待つことにした。だが半年後、「やっぱりちょっと厳しい。あと半年待ってくれ」と言われてしまった。

 「それに最も高いSランクのボーナスを入れても、リーダーになった同期より給料が安い。当時は天狗になっていたし、『俺の市場価値はこんなもんじゃない』と考えて転職活動した記憶があります」

 ここにも、「社内評価が低い」「上司への不満」「給与」など複数の理由があるようです。

 前社の退職者には、人材派遣以外の業界や起業、留学などが多いとか。Dさんも人材派遣業界はもういいと感じ、別の業界に絞って転職先を探した。

 生命保険業界に転職したのは、代理店営業職の知り合いがいて「面白そうだな」と思ったのがきっかけ。いくつかの保険会社から、自由なスタンスに惹かれて今の会社に転職した。

 「今の会社は数字や目標達成など前よりもずっとノルマが厳しいですが、頑張った分評価してくれる。総じて言うと、転職して良かった。これからも頑張ろうかなと思っています」

【ケース3】IT企業人事Gさん(28歳女性)※ジュエリー販売会社店頭販売から転職

 前社は女性社会で、Gさんが転職を考えていた頃は毎月2、3人は辞めていくような状況だった。

 「同僚には恵まれましたが、すぐに自分には合わないと思いました。上司・先輩が尊敬できなかったんです。上からトップダウンで指示がきて、『何でこれやるんだろう?』みたいな指示が多い。『こういう流れだから』みたいな説明の仕方で、質問したら生意気だと思われて。あと先輩よりも先に掃除を始めるとか、変なルールがいっぱいある。日々小さい不満が積もっていくんですよね。それに周りの人がどんどん辞めていくのも、モチベーションを下げていきました」

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