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AIの進化で、真っ先に淘汰される「意外な職業」 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

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 税理士や会計士なども同じだ。資格取得であぐらをかかず、ビジネスを発展させるべく汗をかいている人はAIに淘汰されることはない。たとえば、「税金3割減額センター」などの事務所名を持ち、コンサルティングで納税額の削減を果たすようなアイデアのある税理士は必要とされるだろう。同様に、「税務査察の最後の防波堤となります」と銘打って体を張ったサービスを続ける税理士も残る。一方、「面倒なことは嫌い」と資格をとって事務処理に逃げ込むような税理士はAIで簡単に淘汰される。今でもそうした事務処理一辺倒の税理士は給与待遇条件が劣化して俗に「年収300万円の税理士」などと呼ばれているが、そうした人たちは、10年後には年収300万円でも雇用がなくなっている。

 ここまで考えるとわかると思う。

 私たちは日々の仕事がつらいと、つい、そこから逃げるためにアジール(聖域)探しの投資を行う。それが、難関資格であり、それを取得すれば、煩わしい対人・物理的作業から逃げられると考える。だからその聖域は「一格上のスマートワーク」と目される。ところがAIはこうしたアジールとこそ取り合わせが良いのだ。そうして次々と逃げ込む先がなくなっていく。

 AIの進化とは、すなわち、楽をしようとどこか逃げ込み先を探すのなどやめにして、目の前の仕事でしっかり汗をかけ、ということに他ならないのかもしれない。

海老原 嗣生(えびはら・つぐお)
1964年、東京生まれ。大手メーカーを経て、リクルートエイブリック(現リクルートエージェント)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計等に携わる。 その後、リクルートワークス研究所にて雑誌Works編集長。2008年にHRコンサルティング会社ニッチモを立ち上げる。雇用・キャリア・人事関連の書籍を30冊以上上梓し、「雇用のカリスマ」と呼ばれている。近著は『「AIで仕事がなくなる論」のウソ』(イースト・プレス)。

キーワード:経営、企画、人事、経理、営業、技術、製造、学生、経営層、管理職、プレーヤー、働き方改革、マーケティング、人材、研修

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