未来の働き方を大予測

AIの進化で、真っ先に淘汰される「意外な職業」 雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生

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 弁護士、会計士、司法書士、社労士、税理士など現在でいえば難関で高給な士業も、「ルールに従った処理業務」の部分はAIで代替されやすいだろう。

 通訳業務もAIはこなしていくようになる。これも実は「特徴把握」とその「ルール化」で熟練度を増せるからだ。たとえば、飲食店でお客が「私は鮭ね!」と注文した時に、単なる直訳なら「I am salmon」という笑い話のような誤訳をしてしまうだろう。が、AIは大量のネット環境にある対訳文書をクローリングで読み漁り、そのうちに、「飲食店での会話だと、I am salmon ではなく、 I order salmonだ」という特殊ルールを理解してしまう。そう、大量の情報の中から、その特徴を自動的に把握し、場にあった判断をしていく、ということについて、現在の特化型はとてつもなく秀でている。現状でもそこそこ良い自動翻訳機が市販されているが、製品開発担当者、2020年までに、旅行レベルならほぼ完ぺきなものを発売できると胸を張る。

 たとえば、フランスでもアメリカでも日本でも、飲食店で「注文お願いします(take me our orde)」と給仕者を呼ぶのは問題ないことだ。がドイツではそれがマナー違反となる。通訳者がいたならば、そんな行為は慎むよう指示されるだろう。2020年ごろには、自動翻訳機に、そうした国ごとの作法も織り込み、「ドイツではウエーターを呼ぶのはマナー違反です、待ちましょう」とAIがたしなめてくれるという。現状の自動翻訳機は、自分がしゃべるときに「翻訳開始ボタン」を押し、また、相手が話すときにはそちらにマイクを向けてボタンを押さねばならない。こうしたわずらわしさも、2020年にはなくなっているという。さらに2025年になると、ビジネス場面でもストレスなく翻訳できる程度にまで進化するという。まさに、通訳・翻訳者の淘汰が始まるだろう。

高給の長距離ドライバーは淘汰。宅配配送員は残る

 自動車運転はどうか。シフトノブだのペダルだのハンドルだのと、多々、物理的作業が伴うように見えるが、それは間違いだ。これらの器具は、人間の手足というインターフェースに合わせるためにわざわざ作られているのであり、本来は、IC制御でコンピューター内にて完結できる作業なのだ。今までは、交通ルールや視覚・聴覚情報を交えて、機械をコントロールする部分に、人手が不可欠だった。ところが、その部分はAIがどんどん習熟してうまくなっていく。現在でも、鉱山などの非公道領域では重機・建機の自動運転が普及している。ナビシステムに軍事衛星を活用して、2cm角の精度(乗用車のナビは50cm角)で路面状況を把握し、トラクションコントロールを行い、結果、事故率は人間が運転していた時の2%以下に減少したという。鉱山などとは異なり、公道であれば交通ルールも複雑で、予想できない突発事項も発生しがちだが、それでも2030年には自動化技術は確立されているだろう。

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