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リファラル採用 社員に紹介行動促す3つの条件 リファラル採用(下) ビジネスリサーチラボ代表 伊達洋駆

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 ◆求職者への支援意思

 会社への愛着は大事ですが、自分の知人・友人の中に、「新たな働き先を探そう」と少しでも考えている人がいなければ、紹介行動は成立しにくいものです。無理やり自社を紹介しても、知人・友人を困らせてしまいます。

 その意味で、知人・友人の「良い会社を見つけたい」という課題解決を支援すべく、紹介行動はとられます。仕事を求める知人・友人を助けたいと思うこと、すなわち、求職者の支援意思もまた紹介行動を促す要因です。

 ある研究によれば、会社への愛着よりも、求職者への支援意思の方が紹介行動に与える影響が大きいようです(※5) 。従業員から知人・友人を紹介された際には、背後に、このような思いがあると考え、真摯かつ丁寧に対応するように心がけたいところです。

 以上、本稿では、リファラル採用の紹介行動を促すために求められることについて解説しました。リファラル採用は、制度を入れるだけでは進みません。紹介インセンティブ、会社への愛着、求職者への支援意思という3つの要因を意識して、従業員の紹介行動を促すための施策をあわせて検討していきましょう。

伊達洋駆(だて・ようく) 株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役
神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了、修士(経営学)。2009年にLLPビジネスリサーチラボ、11年にビジネスリサーチラボを創業。HR領域を中心に調査・コンサルティング事業を展開し、研究知と実践知の両方を活用したサービス「アカデミックリサーチ」を提供。13年から採用学研究所の所長、17年から日本採用力検定協会の理事を務める。著書に『「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール』(共著、ナツメ社)、『オンライン採用』(日本能率協会マネジメントセンター)、『人材マネジメント用語図鑑』(共著、ソシム)など

  (※1)紹介インセンティブについては、職業安定法第40条に基づく運用が求められます。

  (※2)Pieper, J. R., Greenwald, J. M., and Schlachter, S. D. (2018). Motivating employee referrals: The interactive effects of the referral bonus, perceived risk in referring, and affective commitment. Human Resource Management, 57, 1159-1174.

  (※3) Bond, B. M., Labuzova, T., and Fernandez, R. M. (2018). At the expense of quality. Sociological Science, 5, 380-401.

  (※4)Bloemer, J. (2010). The psychological antecedents of employee referrals. The International Journal of Human Resource Management, 21, 1769-1791.

  (※5) Van Hoye, G. (2013). Recruiting through employee referrals: An examination of employees' motives. Human performance, 26, 451-464.

 

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