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やる気を奪う「悪上司」 NGパターンはこれだ 「こうして社員は、やる気を失っていく」著者 松岡保昌氏(上)

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 具体的なNGパターンで自戒

 職場で起きている「モチベーション喪失」の主な理由に、松岡氏は上司・リーダーによる「ほったらかし」を挙げる。同情すべき事情もある。人手が足りていない職場では上司・リーダーも自分の業務に忙しく、チームのやる気を管理することまで手が回らない。しかも、売上高のような数値目標とは異なり、やる気管理は自分の人事考課項目として具体的に設定されていないことが多い。つまり、上司・リーダー側のモチベーションも「ほったらかし」状態にあるわけだ。

 「承認欲求」は近ごろ、悪者扱いされることが増えてきた。むやみに称賛や支持を求める態度はいさかいを引き起こしやすい。だが、「適切な評価はモチベーションを保つうえで欠かせない。ほめられたり認められたりしたいというのは、働き手の自然な気持ち。安易に承認欲求と片付けてはいけない」と、松岡氏は上司・リーダー側の目利きとさじ加減を求める。

 働き手の多様性を生かすよう、上司・リーダーは求められている。チームメンバーそれぞれの持ち味を引き出すことは重要ミッションとなりつつある。しかし、彼らは必ずしもそのような扱いを受けてこなかった。むしろ「画一的なキャラクターを押しつけられて、同じ目標へ向かわされた人のほうが多い」(松岡氏)。自分の経験レパートリーにないから、型にはまらない部下・チームメンバーにも前例や社風を押しつけがちだ。ここでもモチベーションは削り取られてしまう。

 松岡氏が対策として勧めるのは、具体的なNGパターンを用意して、モチベーション低下につながりやすい「問題行動」を自ら避ける取り組みだ。例えば、「前例がない」「君は責任を取れるのか」などという物言いを封印する。部下・チームメンバーからの前向きな提案に「門前払い」的な応じ方を禁じる。いずれも相手が「二度と提案も相談もしない」と、上司・リーダーに愛想を尽かしてしまいやすい振る舞いだ。

 一体感の乏しい職場はモチベーションを損ないやすい。メンバー個々だけではなく、チーム全体に影響が及ぶから、事態は深刻だ。チームで目標や存在意義を共有し、一体感を引き出す仕事が上司・リーダーには期待される。その際、大切なのは「自分の言葉で語る言語能力」だという。経営会議から下達された抽象的なスローガンの受け売りではチームに響かない。かえって「上層部のメッセンジャー」的な悪印象さえ与えかねない。「自分事化したうえで、意見や解釈を交えて魅力的に語る能力はリーダーへの信頼や共感につながる」(松岡氏)

 

 

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