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2大ライバー 、初日3000億円販売 中国ECセール開始 CM-RC.com 徐向東代表に聞く

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 中国最大規模の電子商取引(EC)セール「ダブルイレブン」が11月11日に開催される。新型コロナウイルス禍でネット通販の重要性が高まるなか、ダブルイレブンは中国の消費市場の動向やトレンドを占うカギとなる。足元で中国不動産大手の恒大集団の経営危機などで景気減速が鮮明になるなか、中国の消費市場はどうなるのか。中国市場戦略研究所(CM-RC.com)の徐向東代表に聞いた。

 「恒大問題」の消費への影響は限定的

 ――中国の今年7~9月の実質国内総生産(GDP)は4.9%成長にとどまり、景気に減速感がでてきました。恒大集団の経営危機といった不動産債務問題や教育産業への規制なども消費にマイナスの影響を与えています。

 中国の経済成長は、これまで不動産価格の高騰に依存してきた面がありました。それに伴い経済格差も広がっていました。中国政府は現在、そうした経済成長モデルを是正しようと荒療治をしています。短期的な痛みを伴いながらも、健全な経済成長をはかる試みです。不動産価格の下落などで一部の高額消費には影響がでますが、全体でみれば消費への影響は大きくはないとみています。

 ――今年のダブルイレブンの見通しは?

 ダブルイレブンや、6月18日に開催される「618」といった巨大ECセールでは、売り上げの半分近くが事前の予約販売で占められています。今年のダブルイレブンの予約販売は10月20日から始まっています。今年の予約状況をみる限り、販売は堅調で、全体の総取扱額も昨年実績の4982億元(約8兆4700億円,1元=17円で計算、以下同じ)に比べ伸びそうです。

 今年もライブコマースによる販売が人気です。ライバーと呼ばれるインフルエンサーがタオバオライブ(淘宝直播)やドウイン(中国版TikTok)といったプラットフォームを使い販売します。特にドウインは検索を通じてアクセスするのではなく、ネットの閲覧履歴から消費者の好みに合うコンテンツをプッシュ配信する仕組みで、衝動買いを促しています。アクティブユーザーは6億人を超え、いまや若者の生活とは切り離せないツールとなっており、ライブコマースでの存在感も高まっています。

 特に売り上げが多いライバーは男性の李佳琦(オースティン)と女性の薇婭(ウェイヤー)です。ウェイヤーは、予約販売初日の10月20日に14時間ライブを実施し、499の商品を販売しました。約2億4000万人がそのライブを視聴し、売り上げは82億元(約1400億円)でした。初日に一番売れた商品は韓国のスキンケアブランド「The History Of Whoo(ザ・ヒストリー・オブ・フー)」のギフトセットで、この商品だけで35万セット、4.9億元(約83億円)の売り上げを達成しました。オースティンの同日のライブは約2億5000万人が視聴し、106億元(約1800億円)の売り上げを実現しました。2大ライバーは初日だけで3000億円以上を販売したことになります。

 ただ、中国市場のトレンド変化のスピードは速く、一部の人気ライバーが支えるライブコマースの構図には変化の兆しがみえます。消費者のし好は細分化してきており、無名でも自分の気に入ったライバーから購入するケースが増えています。企業側も人気ライバーに頼らず、自社のスタッフらが商品を紹介する「自前ライブ」を開催するケースが増えています。仏ロレアルと米エスティローダーは今年の「618」の期間中、アリババのネット通販サイト「Tモール」の旗艦店で開催した「自前ライブ」でそれぞれ2億7400万元(約47億円)以上を売り上げました。

 

 

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