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10のキーワードから占う2022年 経済予測書籍を読む

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 【ルールチェンジ】

 第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は世界のエネルギー、自動車産業に大きな影響を与えた。新しいルールで競争の土俵を変える欧州の「国際標準化」戦略に対し、日本は存在感が薄い。『日経大予測』は今後①サステナブルファイナンス②サーキュラーエコノミー(循環経済)③エシックス(倫理)――の分野で新たな動きが出てくると予想する。規制と受け取らずに、日本企業も国際ルール形成の場に乗り込むことを提唱する。そのためには共通の価値観を醸成するための「物語」を発信する力を付けることが必要だという。

 【週休3日制】

 『経済がわかる 論点50』は政府が選択的週休3日制を促すのを、働き方の多様性を進めつつ経済規模を維持・拡大するのが狙いと読む。アイスランドやスペインでは週休3日制で業務改善を促しつつ、サービスレベルが維持されたとの実証研究の結果が出ている。ただ、副業や学び直しで生産性向上を後押しするには、政策面で企業への支援策が必要としている。

 【インフレ】

 『世界経済の新常識』は原油をはじめ金、銅、トウモロコシ、大豆など原材料価格や食品価格、株式など資産価格が高騰していることから、インフレ懸念が高まっていると指摘する。コロナ禍に対する各国の大規模な財政出動や金融政策の副作用だ。債務残高も急拡大している。穏やかなインフレは景気の拡大を示すものの、加速すれば消費マインドを冷やし、市場金利の上昇も促す。経済成長の阻害要因となる。

 【宇宙ビジネス】

 『2022年 日本はこうなる』では日本でも防災やデータ活用、安全保障を切り口にした宇宙関連市場への民間の参入が本格化するという。日本主導で列島上空を中心に軌道を描く準天頂衛星システムの構築計画も進んでいる。ホンダの小型衛星用ロケット開発やソニーグループの宇宙感動体験事業など異業種参入の余地が大きいとしている。

 【量子コンピューター】

 『経済がわかる論点 50』は実用化に向けた投資が急拡大していると紹介している。15カ国以上で年200億ドル以上の投資を伴う政府機関主導の研究開発が進んでいる。中国は100億ドルを投資しており世界最大。米国は12億ドルと投資額は比較的小さいものの国家量子イニシアチブ法を制定している。民間では米グーグルやIBM、中国アリババグループなどが積極的に取り組んでいるが、本格的な実用化にはまだ時間がかかるとの見方が多い。

 (松本治人)

 

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