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どうなる2022年? 経済4誌「予測」まとめ 半導体・EV・コロナ下の企業業績……見方割れる

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 【航空・鉄道】 コロナ禍で一変した環境 どう対応

 コロナ禍で大きな打撃を受けた航空・鉄道の両業界。「日経ビジネス」は21年10月以降に、国内線需要が力強さを取り戻し始めたことから、移動の需要は緩やかに回復すると予想。22年は航空各社がLCC(格安航空会社)事業の強化を進めると予想する。「ダイヤモンド」はANAが大幅な構造改革を進めると読む。世界の航空市場で再編が繰り広げられている中、自力で生き残るには新たな収益力を確保しなければならないからだ。「東洋経済」は本格回復の時期はいまだみえないと慎重だ。非航空収入の拡大にはユーザーに幅広い商品・サービスを提供するプラットフォームビジネスがポイントのひとつになるとしている。

 鉄道は、テレワークの定着でコロナ禍前ほどの利用は見込みにくい。「ダイヤモンド」はオフピーク運賃が動き出すと予想する。「日経ビジネス」は郊外から都心への通勤輸送を前提とした沿線開発モデルの見直しが進むと指摘。「東洋経済」はリニア中央新幹線が静岡工区で暗礁に乗り上げていることを紹介している。当初予想の27年のリニア開業は絶望的だ。

 【商社】 資源高一服で地力問われる

 「日経ビジネス」は伊藤忠、三井物産、三菱商事の3社が、今期の最終利益でハイレベルなトップ争いを演じている背景として、資源価格の高騰を指摘する。とりわけ鉄鉱石と原料炭の価格が大手の利益を押し上げているという。ただ各社とも資源高が22年中も続くとは考えておらず、一段落した段階で、それぞれの地力が問われる局面が訪れると同誌は予想する。「東洋経済」も資源高の追い風がやんだ後をにらみ、各社が体質強化を進めていると紹介。住友商事は不採算事業の立て直しに力を注ぎ、丸紅も財務体質の改善に目を向けると解説する。思い切った大型投資よりも着実に成長し続けられる戦略を描いているという。

 「ダイヤモンド」は三井、三菱が当面は液化天然ガス(LNG)への投資を続け、その後は次世代エネルギーに力を注いで温室ガスの排出量ゼロを目指す2段階戦略を分析する。ただ次世代エネルギーの正解が何かは、現状では見通せない。足元で好調な業績とは裏腹に、総合商社は岐路に立たされていると結論している。

 【コンビニエンスストア】 事業モデル見直し急ぐ

 コロナ禍からの本格回復は、まだ道筋が見通せない。「日経ビジネス」はコンビニ大手が住宅地への進出を加速すると予想する。セブン―イレブン・ジャパンは大創産業と組み、100円均一ショップの「ダイソー」専門の売り場を設けて展開。ローソンはデリバリーサービスを拡大する。ファミリーマートは無人決済店舗で小商圏や過疎地への出店を進めると分析する。さらに各社とも北米、中国市場での海外展開を加速させるとしている。「東洋経済」は各社とも食の領域に力を入れていくと予測する。総菜や冷凍食品を強化し、住宅立地店舗における販売拡大を狙うとしている。

 「ダイヤモンド」はコンビニ業界の勝ちパターンが崩壊し、事業モデルの見直しが急がれると警鐘を鳴らす。コンビニ市場自体の飽和感に加え、プライベートブランド(PB)の伸び悩みが目立ってきているからだ。セブン&アイ・ホールディングスのPB「セブンプレミアム」の売上高は21年度上半期(3~8月)に初めて前年実績を下回り、通期でもマイナスが避けられない見通しだ。大量出店でPBの販売力を高め、その原資でPBを開発し出店するという「常勝の循環」がストップしかねない。

 さらに加盟店の人手不足問題が再燃する可能性も低くない。最低賃金の上昇を背景にした人件費増にも直面しそうだと分析する。新たな成長モデルは各社によって異なる。セブンは米大手コンビニの大型買収に踏み切り、事業の柱はあくまでコンビニ。ローソンも設備投資を通じて既存店舗のてこ入れに動く。ファミマは伊藤忠などとデジタル広告に参入した。

 

 「日経ビジネス」が22年を見通すうえで挙げた総合的なチェックポイントは①食品値上げ②北京五輪・パラリンピック③プラスチック製品への規制強化④少子化対策の制度拡充(男性の育児参加支援)⑤年金制度の改革⑥再生エネルギーへの市場原理導入⑦動物愛護法の改正⑧中国共産党大会⑨米バイデン政権下の中間選挙⑩広がる宇宙ビジネスの可能性――などだ。しかし最大のポイントは新型コロナの動向になるだろう。22年も企業トップやリーダーに難しいかじ取りが求められる局面が続きそうだ。

 (松本治人)

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