日経SDGsフェス

ESG投資 “洗練”一段と(2) 資産運用会社の未来像を考えるプロジェクト リレートークセッション

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 環境対応、人権対策といった資本市場と産業界を取り巻く課題が増す中、資産運用会社の姿勢、取り組みが注目されている。ESG(環境・社会・企業統治)の観点から投資先の企業や社会に対し、どんな運用姿勢を示し、どう対話を続けるか。目まぐるしい国際情勢の変化も踏まえ、5月12日に開催されたシンポジウムでは、資本市場で存在感を増すESG投資が今後、どう真価を発揮していくべきか、意見が交わされた。

日本経済新聞社と日経BPは2022年5月9日~14日、SDGsをテーマにすべての人々や企業とともにSDGsの実現を議論する世界規模イベント「日経SDGsフェス」を開催いたしました。

※2022年5月12日のプログラム「日経SDGsフェス 資産運用会社の未来像を考えるプロジェクト シンポジウム『ESG 投資の真価を問う』」から、基調講演と基調対談をダイジェスト版でご紹介します。

 

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 リレートークセッション パート1 聞き手:日経 ESG 発行人 酒井 耕一

運用会社も変革急げ

三井住友トラスト・アセットマネジメント専務執行役員 堀井 浩之氏

 ESGは日々変化しており、運用会社自身も変化していかなければならない。当社は国際的なイニシアチブに参加して新たな考え方を吸収し、それをエンゲージメントに生かすとともに、海外の団体に向けて日本の状況を発信している。 

 ESGは認知度が高まり、対象領域も広がっている。それに対応するためのキーワードを5つ挙げたい。ESGはとにかく参加するという浸透の時期から、基準の厳格化・規制の強化といった「洗練」の時期に来ている。 

 ESGのテーマも気候変動への集中からそれ以外の課題へ「分散」し、それぞれが深化している。気候変動問題という総論には誰もが賛成するが、石炭火力発電のように、進め方のスピード感が違うケースでは「各論」が求められる。石炭は悪い、という単眼ではなく、移行性やコストも勘案した「複眼」で見ていく必要がある。そしてESGを一過性のものから、「持続性」のあるものにしていかなければならない。 

 現在のように平和や経済の安定が脅かされている時はESGも正念場。コロナ禍はなんとか乗り越え、環境問題に集まっていた関心が働き方などS(社会)にも向かった。ウクライナ危機はエネルギー安保などを考え直す契機となるだろう。

 

途上企業の活動も後押し

スパークス・アセット・マネジメント 運用調査本部 ファンドマネージャー兼ESG担当 清水 裕氏

 スパークスで日本株サステナブル投資戦略を担当している。ESGの改善企業に投資をし、対話を通じて活動をサポートしている。 ESGリーダーだけでなく、インプルーバーにも投資をする。 

 ESGは短期的には逆風を受けるが、それを乗り越えて進化を遂げると予測している。社会性と経済性の二者択一が迫られる状況で、その両立の道を模索するのが、ESGマインドを持った人の役割だと考える。 

 インパクトは、害悪を排除するA、ステークホルダーに便益をもたらすB、課題解決に貢献するCの順にレベルが上がる。A、Bは対応が進んできたが、Cは企業の外側にある変化を捉える必要があり、計測が難しく、計測できても会社にとってどんな意味を持つかが感じられにくい。そこで経営者に価値創造プロセスを示して、課題解決が会社の中長期の発展にどうつながるかを説明している。 

 ESG投資の普及で投資家が非財務情報に注目するようになり、その活動成果をきちんと把握したいという要望が強くなってきた。情報開示のフレームワークが統合されることによって、財務情報と非財務情報の関係が整理され、企業のESGへの取り組みが行いやすくなっていくと考える。

 

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