ビジネスに効く 伝わる文章術

読み手と書き手のギャップを意識して書こう 白鳥 和生

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 コンパクトに書くために参考になるのが新聞記事です。新聞記事は重要かつ新しい情報を最初の方にもってくるのが大原則です。朝刊1部は新書2冊分の文字数があります。朝の忙しい時間にそんな文字数は読めません。時間がなくても様々なニュースが目に飛び込み、内容を理解できる工夫がなされています。

 

 

 新聞記事の文章は「逆三角形」構造(上図)になっています。多くの場合、記事の最初の段落に5W1Hの要素が含まれます。When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように、どうやって)という要素。こうした基本情報が冒頭に配置され、その後も重要度が高い情報から配置されていくのです。

 新聞記事は紙面が限られているため、締め切り間際に重要なニュースが入ってきたりすると、スペースに収まらない場合もあります。そのため編集担当(整理部記者)が後ろから文章を削っていく原則があるからです。

 逆三角形構造のポイントは、「何をどう伝えたいのか」を一言(一文)で要約し、伝えたい要素から優先的に並べていくだけのことです。

 大切なのは、書き手が全容をきちんと理解していること。そうでないと、伝えたいことの優先順位がつけられません。当たり前のことですが、書き手が理解していないものを読み手が理解できるはずがありません。

 わかりやすい文章を書くのは、「頑丈な家」をつくるのと同じです。

 まず土台を固めて柱を立てていきます。土台が結論(主張)であり、柱や梁(はり)などの構造軀体(スケルトン)がそれぞれのファクト(客観的事実)です。ですから文章も結論を先に書く。その後に結論を補強するためのファクト、具体的には「理由」「事例」「詳細」をもってくる。理由や事例が複数あると、柱が増えて「頑丈な」文章ができあがるわけです。

 見出しやタイトルを柱(スケルトン)と位置づける見方もできます。柱が小見出しやタイトルと考えれば、それに壁や窓枠などのファクトで肉付けしていくのです。そうすると段落ごとに同じ趣旨の塊ができ、丈夫な家ができあがるわけです。

 小見出しやタイトルは段落の冒頭の文章になる場合があり、箇条書きで整理しておいた材料が生きてきます。

 「伝えたいことを盛り込んだのに、おかしな表現になった」「意図がうまく伝わらない」

 そんな人は、語順や言葉の選び方など簡単なポイントを押さえるだけで、「伝わらない」「読みづらい」「不自然な」文章の原因が解消できるはずです。

 

 

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