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リファラル採用 定着度・満足度が高い2つの理由 リファラル採用(上) ビジネスリサーチラボ代表 伊達洋駆

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 企業と候補者の目的のズレを解消

 従業員が紹介に先立って選抜を行い、リアルな情報を伝えるため、幅広い効果がもたらされるのがリファラル採用です。他の手法と比べたとき、ここまでまだ言及していない根本的な違いがあります。

 通常の採用では、企業と候補者はそれぞれ別の目的を持って、採用あるいは職探し(就職・転職)という活動に取り組んでいます。具体的には、企業は「良い候補者を選ぶこと」が目的である一方、候補者は「良い企業を選ぶこと」が目的になっています。

 お互いの目的がずれていることもあり、企業は候補者を、候補者は企業を見抜かなければなりません。結果、お互いを攻略し合う関係に陥りがちです。その関係が最も典型的に表れているのは、新卒採用でしょう。候補者に向けて、面接や適性検査の攻略方法を指南する書籍が多数出されています。企業も企業で、候補者のアピールの裏側にある本当の姿を見破ろうと懸命です。

 他方で、リファラル採用は目的のずれが起こりにくい手法です。なぜなら、リファラル採用では、採用する企業と採用される候補者は、知人・友人関係で結ばれているからです。紹介者となる従業員は、候補者が「良い企業を選ぶこと」を支援する立場になります。企業と候補者が「良い企業を選ぶ」という目的を共有しやすいのです。

伊達洋駆(だて・ようく) 株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役
神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了、修士(経営学)。2009年にLLPビジネスリサーチラボ、11年にビジネスリサーチラボを創業。HR領域を中心に調査・コンサルティング事業を展開し、研究知と実践知の両方を活用したサービス「アカデミックリサーチ」を提供。13年から採用学研究所の所長、17年から日本採用力検定協会の理事を務める。著書に『「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール』(共著、ナツメ社)、『オンライン採用』(日本能率協会マネジメントセンター)、『人材マネジメント用語図鑑』(共著、ソシム)など

 (※1) Hensvik, L. and Skans, O. (2016). Social networks, employee selection, and labor market outcomes. Journal of Labor Economics, 34(4), 825-867.

 (※2) Burks, S. V., Cowgill, B., Hoffman, M., and Housman, M. (2015). The value of hiring through employee referrals. The Quarterly Journal of Economics, 130, 805-839.

 (※3) Zottoli, M. A. and Wanous, J. P. (2000). Recruitment source research: Current status and future directions. Human Resource Management Review, 10(4), 353-382.

 (※4) Fernandez, R. M. and Weinberg, N. (1997). Sifting and sorting: Personal contacts and hiring in a retail bank. American Sociological Review, 62(6), 883-902.

 (※5) Schein, E. H. (1978). Career Dynamics: Matching Individual and Organizational Needs. Addison-Wesley.

 

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