日経SDGsフェス

消費行動で未来を選択 身の回りから変革を(2) 日経SDGsフォーラム 特別シンポジウム「『エシカル消費』で実現する持続可能な社会」 パネルディスカッション

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 持続可能な社会を未来に引き継ぐためにはどんなライフスタイルが必要か。日経SDGsフォーラム特別シンポジウム「『エシカル消費』で実現する持続可能な社会」では、食品や衣料品といった身の回りの消費行動をエシカル(倫理的)なものに変える選択が未来につながるとの意見が相次いだ。

日本経済新聞社と日経BPは2022年5月9日~14日、SDGsをテーマにすべての人々や企業とともにSDGsの実現を議論する世界規模イベント「日経SDGsフェス」を開催いたしました。

※2022年5月10日のプログラム「日経SDGsフェス 日経SDGsフォーラム特別シンポジウム 『エシカル消費』で実現する持続可能な社会」から、パネルディスカッションをダイジェスト版でご紹介します。

 パネルディスカッション ファッションの力で社会に訴求

生駒 芳子氏 日本エシカル推進協議会 副会長/ファッションジャーナリスト伝統工芸開発プロデューサー

口分田 直丈氏 三陽商会 執行役員M&D戦略本部

高橋 悠介氏 CFCL 代表 兼 クリエイティブディレクター

 口分田 三陽商会では2013年の設立70周年を機に「TIMELESS WORK. ほんとうにいいものをつくろう。」というタグラインを策定し、それを体現する商品として、100年コートを製作しました。コンセプトは世代を超えて長く愛用してもらえるコートです。リペアサポートというサービスも同時に始めました。18年には循環型社会の実現を目指して衣料回収もスタート。海洋ゴミを回収し、製品化する活動も始めています。今後は環境配慮型素材を使った製品を広げることにも取り組みたいと思います。

 高橋 CFCLの服はすべてコンピュータープログラミングニットでつくられています。環境については我々の取り組みを数値化して淡々と発信しています。その一つが1着あたりの温暖化ガス排出量を測定するライフサイクルアセスメント(LCA)の公表です。25年までに全ての服で算出する目標を掲げ、グローバルリサイクルドスタンダードなどの認証素材使用率を公表し、30年までに使用率100 %を目指します。またサプライチェーンを巻き込む取り組みとして151の質問からなるSDGsパフォーマンスインデックスも策定しました。SDGsに基づくアメリカのB Corpという認証の取得を目指し、最終段階を迎えています。

 生駒 エシカル、サステナブルに取り組む上での課題は何ですか。

 口分田 100年コートを立ち上げてから約10年ですが、なかなかその考え方が社内に広がらないことはありました。地道に一歩ずつ推進することで今につながっていますし、今後もさらに面展開をしていきたいという状況です。

 高橋 基本的に再生素材を使っていきたいスタンスですが、我々が糸をゼロから作ることはできないので糸メーカーから購入する形です。20年に会社を立ち上げたときは再生ポリエステルがほとんどありませんでした。みんなが使えば糸メーカーももうかることがわかるし、価格競争も起こり、糸のバリエーションも増えます。そうするとクリエーションの幅も広がるため、そうなればいいですね。

 生駒 100年後に緑の地球が継続できるかというのは私たちの想像力の中でしか考えられないことですが、100年後の人に、あのときアクションを起こしてくれてありがとうと感謝されたいと思うことがあります。そういう視野をもって今取り組んでいることも考えていかないと、先がなくなると思っています。

 口分田 永く愛せるか、気に入るか、長く着られるかを見越した消費行動をお客様に取っていただけるような価値あるものを世の中に提供・提案できればというビジョンをもって行動しようと思います。再生原料であることをうたう義務がないショッパーや副資材にも環境に配慮したものを使うことで、環境問題全体に貢献していることをお客様とともに考え、感じてもらえるアクションもやっていければと思います。

 高橋 ファッションは自分のアティチュード(態度)を社会に発信するためのツールになっています。エシカルの取り組み自体がかっこいいとなれば社会は一気に変わります。ファッションの持つ人の心に直接訴えかける力をうまく利用して、生活者に訴えていければいいかなと考えています。

 

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