日経SDGsフェス

消費行動で未来を選択 身の回りから変革を(1) 日経SDGsフォーラム 特別シンポジウム「『エシカル消費』で実現する持続可能な社会」 基調講演・特別講演

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 持続可能な社会を未来に引き継ぐためにはどんなライフスタイルが必要か。日経SDGsフォーラム特別シンポジウム「『エシカル消費』で実現する持続可能な社会」では、食品や衣料品といった身の回りの消費行動をエシカル(倫理的)なものに変える選択が未来につながるとの意見が相次いだ。

日本経済新聞社と日経BPは2022年5月9日~14日、SDGsをテーマにすべての人々や企業とともにSDGsの実現を議論する世界規模イベント「日経SDGsフェス」を開催いたしました。

※2022年5月10日のプログラム「日経SDGsフェス 日経SDGsフォーラム特別シンポジウム 『エシカル消費』で実現する持続可能な社会」から、基調講演と特別講演をダイジェスト版でご紹介します。

 基調講演 「今だけ・ここだけ」から脱却

 伊藤 明子氏 消費者庁長官

 我々は消費で一つひとつの選択をしており、どういう消費をそれぞれの個人がするかで世の中が変わっていきます。消費者には、いい消費をすることで社会をつくる役割もあるのです。コロナ禍で、社会的課題の解決に向けて取り組む企業の商品やサービスを購入・利用したいと思う人は増えていますが、実際に行動に移している人となるとガクンと数字が減る状況です。どう意識を行動に結びつけていくかが課題です。

 エシカル消費とは人や社会、地域、環境に配慮した消費行動を指しますが、私自身は「今だけ、ここだけ、自分だけの消費からの脱却」と言っています。我々はワンウェイ社会に生きていますが、もう少し循環型を考え、ゴミではなく資源にしていく。日々の暮らしの中で、食やファッションなど身近なことを通じて未来について考える必要があると思います。

 SDGs(持続可能な開発目標)の12番目は「つくる責任 つかう責任」です。使うことにも責任があるという認識はまだ十分ではない気がします。消費者と事業者が共創・協働することで、皆さんと一緒にエシカル消費で未来をつくっていきたいと思います。

 

◇     ◇     ◇

 特別講演 100年先につながるブランドへ

 石橋 誠一郎氏 セブン&アイ・ホールディングス 常務執行役員 グループ商品戦略本部長

 セブン&アイグループでは環境負荷低減への取り組みとして、2019年5月に宣言した「GREEN CHALLENGE2050」で、グループ共通の目標を明示しました。21年7月に発表した中期経営計画でも「企業の持続的な成長」と「持続可能な社会」の両立を掲げています。

 グループの象徴的な商品であるセブンプレミアムの商品開発でも重要な考え方として位置付けており、進化し続ける"プライドブランド"として、すべてのステークホルダーと一緒に100年先につながるブランドを目指しています。

 最も重要な二酸化炭素(CO2)対策では、店舗への太陽光パネルの設置拡大や国内初のオフサイトPPAに取り組んでいます。商品開発の面では主力商品の強化を通じて取引先の製造効率を引き上げ、配送効率も高めるなど、様々な無駄をなくす挑戦を続けています。チルド弁当の紙容器化によるプラスチック削減や世界初の完全循環型のペットボトルリサイクル、長鮮度化や賞味期限の年月表示によるフードロスの削減など取引先と連携して社会課題の解決につなげていきたいと考えています。

 仏環境大手のヴェオリアなどと合弁会社を立ち上げ、リサイクルペットを製造販売する取り組みにもアプローチしています。コンビニ大手4社による「てまえどり」の啓発活動や外食産業での持ち帰りの取り組み「モッテコ」活動など、お客様の協力を賜ることで実現できるものもたくさんあります。お客様、取引先、株主、地域社会、従業員と一緒に持続可能で豊かな社会を実現するために、今後もこうした取り組みを強化したいと思います。

 

◇     ◇     ◇

 基調講演 愛せるものを丁寧に、長く

 生駒 芳子氏 日本エシカル推進協議会 副会長/ファッションジャーナリスト/伝統工芸開発プロデューサー

 エシカルもサステナブルもSDGsもすべて未来のためにあります。地球の生態系と人類の命を見守る、より大きな傘がエシカルと覚えていただければと思います。エシカルはトレンドではなく、人類の歩むべき先を示す哲学なのです。

 今、エシカル・ファッションが急速に広まっています。ファッションは地球を汚す過度な生産と過度な消費と過度な廃棄から生まれ変わる時期に来ています。まずは環境に配慮し、サーキュラーエコノミーを目指す。そして人権デューデリジェンス。消費者やステークホルダーに原材料・生産などエシカル消費に有益な情報を積極的に公開する動きも出てきました。

 フランスでは2020年に廃棄物対策法が制定され、22年1月には売れ残った衣料品の廃棄を全面的に禁止しました。日本でも消費者庁でサステナブル・ファッションサポーター制度が始まりました。21年8月にはアパレル産業が集まり、ジャパンサステナブルファッションアライアンスも設立されています。

 エシカルなライフスタイルとは愛せるものを丁寧に長く使うことです。そして、モノを買うとき、環境などに負荷をかけていないか考えること。他を思いやる気持ちから豊かさが芽吹くのです。

 

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。