日経SDGsフェス

脱炭素、建築業界から実現 進化する工法・資材 グリーンアーキテクチュア会議

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 持続可能な社会の実現に向けて、建築はどのような貢献ができるだろうか。また、国際社会や日本はどのような役割を果たすべきか。5月に開催された「日経SDGsフェス」に登壇した識者は、それぞれの立場から現状の課題を整理し、今後世界が向かうべき未来図を提示した。

日本経済新聞社と日経BPは2022年5月9日~14日、SDGsをテーマにすべての人々や企業とともにSDGsの実現を議論する世界規模イベント「日経SDGsフェス」を開催いたしました。

※2022年5月12日のプログラム「日経SDGsフェス グリーンアーキテクチュア会議」にご登壇くださった識者の皆様のご発言をダイジェスト版でご紹介します。

 難民のプライバシー、紙の建築で守る

 坂 茂氏  建築家

 1994年のルワンダ紛争後の支援を皮切りに、世界中の紛争地や被災地で仮設住宅などを提供している。その多くは、軽く、組み立ても簡単な紙管でつくる住宅だ。95年の阪神淡路大震災の際、避難所のプライバシーの無さが気になり、紙管と布で簡単に組み立てられる間仕切りを開発。東日本大震災の避難所でも活用された。ウクライナの難民にも2000ユニットを提供している。張り詰めた緊張感にさらされていた難民の女性が、間仕切りの中に入って初めて泣いたという話を聞き、緊急時に1人になれる空間の大切さに改めて思い至った。現在、スタイロフォームとグラスファイバーでつくる復興住宅の建設を提案中だ。現地に工場をつくり、職を失った人たちの雇用も確保したい。今後も、社会の中で、建築家の果たすべき役割は何かという問いに向き合い続ける。

 1.5度達成へ太陽光活用

 エドワード・マズリア氏  米国建築家協会 フェロー/Architecture2030 CEO

 世界の温暖化ガス排出量の半分近くが建築関連の部門から排出されている。パリ協定で示された、産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑えるという努力目標を達成するには、建物や建築資材などのゼロカーボン化が必要だ。建物の稼働に用いるエネルギーの電化や再生可能エネルギーの導入も欠かせない。特に地球上にふんだんに降り注ぐ太陽光の活用は、目標達成の可能性を高めてくれるだろう。

 省エネの徹底こそ重要

 田辺 新一氏 早稲田大学 建築学科 教授

 脱炭素の実現に向けて重要なことは、徹底した省エネと、再生可能エネルギーの導入拡大だ。第6次エネルギー基本計画では2030年度までに原油換算で約6240万キロリットルの省エネ達成という野心的目標が掲げられた。建築物省エネ法の改正に向けた手続きが進められるなど、建築領域の省エネ対策も加速している。今後も、エネルギーの最適管理技術の確立などによる、より一層の省エネが求められる。

“世界の知”に学び、SDGsに対する理解を深める
2022年5月開催「日経SDGsフェス」の動画を無料公開

日本経済新聞社の「日経チャンネル」では、ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授、日本女性初の国連事務次長である中満泉氏をはじめ、同イベントにご登壇くださった国内外の有識者らによる講演やシンポジウムを動画として無料公開しております。この機会に、ぜひ、ご視聴ください。ご視聴はこちらから。

グリーンアーキテクチュア会議の講演内容はこちらからご視聴いただけます。

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